京都市議会 > 1993-11-19 >
11月19日-03号

  • "池尻興産"(/)
ツイート シェア
  1. 京都市議会 1993-11-19
    11月19日-03号


    取得元: 京都市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-19
    平成 5年 11月 定例会(第5回)   平成5年第5回(定例会)京都市会会議録第3号           平成5年11月19日(金曜日)出席議員(69名)  1番  天方晶英君  2番  大道義知君  3番  日置文章君  4番  川中増次郎君  5番  内海貴夫君  6番  橋村芳和君  7番  桑原茂樹君  8番  いさか博文君  9番  中村勝己君  10番  河上洋子君  11番  富きくお君  12番  谷口弘昌君  13番  高嶋弘恵君  14番  小川利治君  15番  大西 均君  16番  巻野 渡君  17番  小林正明君  18番  富田征義君  19番  加藤盛司君  20番  鈴木マサホ君  21番  藤井佐富君  22番  山中 渡君  23番  北山ただお君  24番  加藤広太郎君  25番  宮本 徹君  26番  今枝徳蔵君  27番  小林澄江君  28番  中西賢治君  29番  秋山幸雄君  30番  田中セツ子君  31番  伊藤義浩君  32番  磯辺寿子君  33番  二之湯 智君  34番  中野竜三君  35番  安井 勉君  36番  小林あきろう君  37番  三宅誠孝君  38番  藤本貞子君  39番  高橋きみ君  40番  山本 豊君  41番  山本正志君  42番  岩本 弘君  43番  可児達志君  44番  永嶋久仁朗君  45番  中西正三君  46番  田中 保君  48番  田中のぼる君  49番  井上与一郎君  50番  高橋泰一朗君  51番  椋田知雄君  52番  中村安良君  54番  奥山茂彦君  55番  梅林 等君  56番  山口幸秀君  57番  南野昭雄君  58番  阿美弘永君  59番  若宮 修君  60番  坂口芳治君  61番  藤原冬樹君  62番  有吉節子君  63番  国枝克一郎君  64番  西脇尚一君  65番  青木善男君  66番  津田幹雄君  67番  江羅寿夫君  69番  福島滋弥君  70番  西田輝雄君  71番  小坂 正君  72番  末本徹夫君  欠席議員(2名)  47番  北川光男君  53番  北川 明君  欠番 (1) 68番議事日程開議日時 11月19日午前10時一般質問1)市政一般について   藤本貞子君2)市政一般について   加藤広太郎君3)市政一般について   高嶋弘恵君4)市政一般について   小林澄江君5)市政一般について   桑原茂樹君6)市政一般について   西田輝雄君7)市政一般について   天方晶英君~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時2分開議〕 ○議長(川中増次郎君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。三宅誠孝君と中西賢治君とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) この場合,議長から御報告申し上げます。 本日,北川明君は公務のため出席されておりません。 次に本日までに受理いたしました請願3件及び陳情2件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託又は回付いたします。-------------------------------------- △請願文書表「受理番号435」「国保組合の改善」・請願文書表「受理番号436~437」「回収油脂業界への公的資金の女性場度」 ○議長(川中増次郎君) 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) 昨日に引き続き,これより一般質問を行います。発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,藤本貞子君。 〔藤本貞子議員登壇(拍手)〕 ◆(藤本貞子君) 私は,日本共産党京都市会議員団を代表して,環境アセスメント国民健康保険高齢者対策中学校給食,東山区総合庁舎などについて質問いたします。 まず環境アセスメントについてお尋ねいたします。京都市は10月20日,京都市環境影響評価要綱を発表しました。この環境アセスメントの制定については,市民から早期制定が求められていたものであり,我が党議員団も繰り返し求めていたものです。今回,要綱が発表されたとはいえ,国の法制化審議を理由にして公害対策審議会答申以来,10数年もの長きにわたって制度化を遅らせ,答申内容からも大きく後退するものとなったことは極めて問題です。 その第1は,アセスメントで最も重要な基準である技術指針については,市長の委嘱する環境影響評価審査会にゆだねるとして数値を明らかにせず,現在ある京都市の環境保全基準をないがしろにし遵守する努力を放棄していることです。 第2には,都市計画法に基づく市街地開発事業や,国又は特別の法律に基づいて設立された法人が行う事業,そして既に開発許可や公告が終わっている事業について適用除外にしていることです。これでは交通渋滞を招き環境を悪化させるものとして強い反対がある高速道路や,京都の景観や経済を破壊するものとして市民の間から強い反対の声が出されている京都駅ビルは,全く対象にならないではありませんか。このように京都の環境に大きな影響を及ぼす大規模事業のほとんどを適用除外して,どうして京都の環境を守ることができるでしょうか。まさに京都市の主体性を失った骨抜きのアセスメント要綱ではありませんか。 そこで3点質問いたします。まず技術指針についてですが,特に大気汚染については厳しい基準を持っている京都市環境基準を明示して,事業者が市基準達成に協力するようにすべきではありませんか。 第2に市民合意の問題です。本来なら議会で十分論議して策定すべきものですが,来年の4月1日の実施まで手直しする時間も十分にあります。議会の審議を尽くし,市民の意見を反映させた市民合意の実効ある制度にすべきです。明確にお答えください。 第3に条例化の問題です。古都保存法でも鎌倉,奈良とともに京都は特別の指定を受けていますが,市長自身が歴史都市京都と自負されるのであれば,この際,環境影響評価要綱ではなく,川崎市の進んだ条例にも見られるように,環境影響評価制度条例の制定を提案して,京都の自然環境と住環境,町並みと景観を守ることを表明されてはいかがですか。以上,市長の決意をお聞かせください。 次に国民健康保険料について質問します。今,市民生活は長引く不況の中で,物が売れない,仕事がない,収入が減って生活が苦しいなど本当に深刻な事態になっています。不況が市民生活を直撃している今こそ,高過ぎる国民健康保険料を引き下げて欲しいという声は一層高まっているのです。 我が党議員団は,先月厚生省交渉を行いまして,国民健康保険に対する国の補助率を元に戻すことなど国の責任を明らかにして支援措置をとるよう要望してきたところです。 さて本市の92年度国民健康保険会計決算は,30億円の黒字,累積75億5000万円黒字となっています。この黒字を市民に還元するのは当然ではありませんか。 医療費の伸びについても,1人当たりの医療費の伸びは予算より1.6パーセント低くなって伸び率は鈍化しています。このように医療費を高く見積って予算を組み,決算で余らし累積黒字にしてきたのも事実です。更に京都市国民健康保険に来ている国からの地方交付税措置額は,92年度は22億円ありますが,国保会計に繰入れとして増額されて入ったのは9億円です。差額の13億円も国保会計に入れて加入者の負担を軽減すべきです。このように1人1万円引き下げる財源は十分にあるわけです。 そのうえ93年度国保予算でも,例えば国の調整交付金は54億円を見込んでいますが,昨年も一昨年も70億円近くが実績となっています。例年どおりにこの調整交付金が来ると考えられますので,これだけでも10数億円の黒字要因となります。更に4月からの今年度の医療費の伸びを見ると,今年度の国保会計でもかなりの累積黒字が見込まれると推計されますがどうですか,お答えください。 今全国で500近い市町村が高過ぎる国保料を引き下げました。市民は,深刻な不況の中で高い国保料に苦しんでいる一方で,多額の黒字がありながら頑として引下げを拒否することが許されるでしょうか。市民の願いにこたえて国民健康保険料の引下げに踏み切ることを求めるものです。市長から明確にお答えください。 次に高齢者の対策について質問します。国は,高齢者保健福祉推進十か年戦略,いわゆるゴールドプランを実現するために,老人保健福祉計画をすべての地方自治体が今年度中に策定することを法律で規定し通知しています。京都市は,これに基づき京都市老人保健福祉計画を策定中ですが,発表はいつになりますか。今後の京都市の高齢者対策の基本的計画でありますので,議会の論議も十分尽くし,市民の要望が生かされた計画にすることが必要と考えますがいかがですか。 次にこの計画に必要な予算についてお尋ねします。この計画は2000年までの計画です。あと7年しかありません。来年度思い切った予算措置をしないとこの計画を実行していくことはできません。来年度はどのぐらいを考えているのですか。 このゴールドプランは,高齢者福祉を推進するとして国民の反対を押し切って消費税を導入するとき政府が打ち出した計画です。既に国民は22兆円の消費税を払っていますが,高齢者福祉に使ったのはたったの4300億円,約2パーセントでしかありません。国に対して財政的援助を求めることは当然です。市長の決意をお聞かせください。 また給食サービスなどが盛り込まれた京都市高齢社会対策推進計画の内容を計画の中に生かすべきだと思いますがいかがですか。更に計画は年次目標を明確にしないと絵に描いた餅になります。各年度の実施計画の作成や進捗状況の見直しなど,実情に応じたものにすることが必要だと思いますがどうですか,民生局長からお答えください。 次に骨粗鬆症の予防対策について伺います。今,高齢者にとって一番気掛かりなことは,寝たきりになったら困るということです。本市にはおよそ3000人の寝たきりのお年寄りがおられますが,御本人にとっても介護される方にとっても大変なことです。寝たきりの原因として成人病とともに骨折が挙げられていますが,最近,骨折は事故によるだけではなく,実は骨粗鬆症という病気であり,予防,治療すれば骨を強くし回復できることが分かってきました。 骨粗鬆症は,カルシウムや女性ホルモンの不足によって骨からカルシウムが抜ける病気で自覚症状は余りなく,しかもちょっと転んだ程度でも骨折したり腰が曲がったりするもので,四,五十歳以上の女性に多く,この病気に悩む人は全国に1000万人とも言われており,寝たきりの2割がこの骨折によるものと言われています。 厚生省では骨粗鬆症の検診を婦人の健康づくり推進事業の追加事業として行うことを決め,対象を30歳以上の女性に設定し,今年度は茨城県,京都府でモデル的検診をスタートさせています。更に来年度全国94か所の自治体でモデル事業を実施することにしています。検診用の機械は1台約900万円程度で,エックス線,超音波で簡単に骨量を測ることができ,持ち運びも可能です。奈良県では,昨年度から寝たきり老人ゼロ推進本部を設置し,住民検診の中に骨粗鬆症の検診も追加して効果を上げ大変喜ばれています。今多くの自治体が寝たきりを作らない保健予防対策に力を入れ始めています。京都市としても積極的に骨粗鬆症検診に取り組むべきと考えますが,市長の答弁を求めます。 次に障害児の学童保育についてお尋ねいたします。障害児の学童保育への受入れは,やっと91年度から予算が付き,92年度には著しい障害児は除くという差別条項を削除しましたが,予算が不十分なため受入体制が整っていません。障害児の面倒を見る指導員さんのアルバイト料は月2万7500円です。また障害の重い子供に対する重度加算は1万4000円ですが,これも養護学校に行っている子供だけに限定しています。これでは人の確保は困難です。 ある保護者はアルバイトを探すのに走り回り,不足するお金を出してやっと学童に入れてもらっている状況です。このように依然として障害者が差別されています。絶対に許せません。本来,指導員の確保や人件費は市が責任を持つべきことではないのですか,お答えください。なぜ実態に合わない予算措置と人の確保を放置しているのですか。直ちに改善を求めます。また4年生以降も障害児は保育に欠ける状況です。4年生以降も学童保育を保障すべきです。この問題についてどのように検討されているのかお答えください。 次に東山区総合庁舎建設についてお尋ねします。既に東山区総合庁舎建設用地は,ホテル東園跡地に決定し,平成8年3月の下水道東山幹線工事基地の使用が終わり次第建設すると地元と覚書を交わしています。またこれまで私の本会議質問に対しても約束どおり建設すると明確に答弁してこられました。文化施設を含むことも約束されています。東山区民への約束を果たすためには,来年度予算で設計費などを予算化しないと間に合いません。市長からいつ,どういうものを建設すると明確にお答えください。 最後に教育問題について質問いたします。まず学校施設の改修,改善についてお尋ねします。公立幼稚園はどこも園舎が古くなり,小,中学校も至る所で体育館や校舎が老朽化して,雨漏りしたり床が傷んだりしています。例えば東山区の貞教幼稚園では,雨漏りがして壁も傷んでいます。修道小学校では廊下のPタイルがはがれ,窓枠が古くなって危険です。月輪中学校では体育館が狭く老朽化しています。本市の学校ではこんな状態が至る所で放置されています。京都市教職員組合が今年度の各学校の施設設備改善要求をまとめて教育委員会に申入れしています。全市で200数十箇所もあります。全く予算が不足しています。新しい学校建設も一段落した今こそ,短期間の間に抜本的に改修する年次計画を立てて一気に解決できる予算を組むべきだと思いますがどうでしょうか。お答えください。 次に学校給食についてお尋ねします。私は先日,お隣滋賀県石部町の中学校給食を見学してまいりました。本年3月に完成したドリームハウスという多目的ランチルームで全校生徒515名と教職員が一緒に和やかに食事をとっていました。石部町教育委員会の給食事業の意義は,昨今,愛情弁当論と給食是非論が関心を呼んでいるが,吟味した内容の食事と環境を提供することによって,子供の健康維持増進と生涯にわたる良い食生活を体得し,食事を通して好ましい人間関係と豊かな心をはぐくむ教育的意義は大きいと述べています。 この施設は建設費,厨房施設費合わせて4億円,自校方式で地元でとれたお米,野菜,お肉を使い手作りのバランスのとれた食事を作っていました。案内してくださった教頭先生は,給食を始めて学校が明るくなった。生徒も先生も親も大変喜んでいる。バランスのとれた学校給食を一緒に食べることが子供たちに大変良い教育効果を与えていると自信を持って話してくださいました。 今日受験競争,いじめ,不登校など今中学生を取り巻く厳しい現実があります。まさに中学生にこそ学校給食が必要だと認識を深めて帰ってきたところです。中学校完全給食は現在全国的には67.2パーセントが実施しています。政令市では既に札幌市,神戸市,仙台市,福岡市,名古屋市が実施しており,広島市も間もなく始まりますので半数を超えました。東京23区も既に実施しており,市民から大変歓迎されています。京都府下では32.7パーセントの中学校で学校給食が採り入れられています。 教育長は,これまで中学校給食愛情弁当論や財政上の理由で拒否してきましたが,働く女性は60パーセントを超え,母子,父子家庭の増加,家庭崩壊,勤務形態の変化など弁当が準備できない事情もあり,実態をリアルに見るべきです。 私たちは先月,市内のある中学校が大変荒れているというので,昼の時間に行ってみました。先生方への暴力,授業妨害などが起こっていて騒然としており本当に心が痛みました。校舎と校舎の間で3人のPTAのお母さんたちがパンと飲物を売っていました。生徒たちは歩きながらそれを食べ,空が校庭にたくさんほうられ散らばっていました。この光景は大人たちの心まで寒々とさせました。心身ともに成長しなければならない大切なこの時期に,毎日こんな貧しい昼の食事をとってこんな生活をしている,教育的にも健康上も良いわけがありません。こんな学校こそ,あの石部中学校のような温かい愛情給食が必要だと思いました。 また多くの中学校では,昼になると先生が自転車で生徒の注文するパンを買いに行くそうです。クラブ活動の朝練習で朝食抜きの生徒も増えているのも現実です。一方,弁当を毎日作る親からの意見として,成長盛りにふさわしいバランスある食事は弁当で作るのは難しいのです。他都市の実施状況を見れば,いろいろな形態で,しかも教育の一環として効果を上げています。文部省も学校給食を推進しており国の補助制度もあります。教育効果の面からも,子供たちの健康上からも,中学校給食に前向きに取り組むことを要求いたします。教育長の答弁を求めます。 市長にお尋ねします。文教委員会で教育長は,本市のすべての中学校で給食を実施すると設備改善などで61億円,人件費で20億円必要だと答弁されました。最初は確かに設備費が掛かりますが,後は光熱費と人件費だけですから大したことはありません。給食事業は,また地元の農家や商店に活性化をもたらします。ゼネコンの仕事にばかり莫大なお金を使わないで,建都1200年記念事業として中学校給食を子供たちへのプレゼントにしたら,どんなに子供たちと市民に喜ばれ意義あることではないでしょうか。市長の答弁を求めます。 以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) 藤本議員の質問にお答えいたします。 中学校給食につきましては,これまでから教育委員会におきまして十分検討されてきたところであります。しかしながら,保護者の方々が子供たちの健康や嗜好などを考えて弁当を作り持参させていただきますことは,この時期の親子のつながりを大切にする意味からも教育的に大変意義があり,重要な役割を果たしておると承知いたしております。 以下,助役,局長から答弁いたさせます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 〔薦田助役登壇〕 ◎助役(薦田守弘君) まず環境アセスメント要綱についてでございます。この要綱は,幅広い分野の委員で構成された公害対策審議会の答申の内容を十分に踏まえながら制定したもので,更に京都市の独自性を盛り込んだ内容で,現時点においては最善のものであると考えております。また進行中の事業について経過措置を設けることは当然の規定でありまして,更に特例措置等については国との整合性を図ったものでございます。制度として十分実効が上がると考えております。技術指針の策定につきましては,京都市環境影響評価審査会の専門的な指導を受け十分検討してまいります。また条例化につきましては,アセスの法制化など国の動向を見ていきたいと考えております。 次に国民健康保険料の引下げにつきましては,6月の臨時市会において共産党を除くすべての会派の皆様に御理解いただき,将来にわたる国民健康保険財政の健全な運営を図るという立場に立ちまして否決されたところであります。黒字分につきましては,今後とも被保険者の皆様の急激な負担増とならないように有効な活用に努めてまいります。 次に老人保健福祉計画について数点のお尋ねでございます。この計画を本市では,京都市高齢社会対策推進計画及び京都市保健医療計画の両計画の保健福祉の分野の施策を具体化するものとして位置付けをしております。計画の策定後速やかに議会に御報告申し上げたいと考えております。 次にこの計画の実現に必要な予算措置についてでございます。厳しい財政状況ではありますが,最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 次にこの計画にかかわる国への要望でありますが,計画の実現には多額の財源が必要なことから,従前以上に要望活動を行ってまいる所存であります。 次に東山区総合庁舎の建設についてでございます。昨日も申し上げたとおり,公共下水道東大路幹線工事が完了次第建設に着手できるよう努めてまいりたいと考えております。以上であります。 ○議長(川中増次郎君) 森脇民生局長。 〔森脇民生局長登壇〕 ◎民生局長(森脇史郎君) 平成5年度の国民健康保険の財政収支の見込みにつきましては,医療費や国庫補助の変動要素が非常に大きく,現時点では財政収支を見通すことは困難でございます。収支均衡が図れるよう努力してまいります。 老人保健福祉計画の事業項目につきましては,国においては御指摘の配食サービスやミドルステイについて目標量等掲げて取り組む事業項目とはなっておりません。しかしながら,これらの福祉サービスは援護を要する高齢者の在宅生活を支える重要な施策であることから,本市の計画策定に当たり検討しているところでございます。 障害のある児童の学童保育への受入れにつきましては,平成2年度から一定の予算措置をいたしまして,更に平成4年度からは重度障害児に対する補助金の加算を行ってきたところでございます。なおこれ以上の制度につきましては,国の財政的裏付けがなく,本市の厳しい財政状況の中では困難でございます。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 南澤衛生局長。 〔南澤衛生局長登壇〕 ◎衛生局長(南澤孝夫君) 骨粗鬆症対策についてお答えいたします。本市におきましては,現在老人保健事業の健康教育の中で骨粗鬆症に関する正しい知識の普及,栄養及び運動等の保健指導を実施しているところでございますけれども,寝たきりの一因となります骨折の多くが骨粗鬆症によるものと考えられますことから,今後その予防対策に一層努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 桝本教育長。 〔桝本教育長登壇〕 ◎教育長(桝本頼兼君) 学校や幼稚園の施設についてでございますけれども,教育環境の整備は教育活動の充実に不可欠であるという認識の下,毎年巨額の経費を投入し増改築や大規模改造等に取り組んでまいっております。しかしながら,本市は御承知のとおり非戦災都市でございます。戦前に建設された老朽校舎が残っていることなどから改修を要する箇所が多く,緊急度の高いものから順次精いっぱい取り組んできているのが実情でございます。今後とも国庫補助金の獲得,予算の増額に努め教育環境の整備に努めてまいりたいと存じております。 次に中学校給食についてでありますが,小学校では,おいしく衛生的で栄養のバランスのとれた楽しい学校給食,中学校では,家庭の手作りの弁当など親子の温もりを大切にした昼食,高等学校では,弁当又は自らが選んで食べる学校の食堂での昼食が本市の伝統であり,そのよき伝統を大切に守り育てたいと考えております。また中学校段階では,体力や運動量,嗜好の個人差が大きいこと,更には給食施設の建設費等に巨額の経費を要するなど多くの問題点があり,中学校給食を実施する考えはございません。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) 次に市政一般について,加藤広太郎君に発言を許します。加藤君。 〔加藤広太郎議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤広太郎君) 日本共産党京都市会議員団を代表して質問いたします。 昨日の衆議院での小選挙区制の強行に見られるように,細川内閣が掲げた政治改革や生活者重視の政治のパフォーマンスはメッキがはがれ,従来のどの内閣よりも反国民的な姿を明らかにしました。金権腐敗の温床である企業,団体献金禁止を棚上げして,小選挙区制の強行,税金を使っての政党へのお手盛り助成などの偽政治改革は絶対に反対であり,廃案を目指して市民の皆さんとともに頑張ることをまず表明しておきます。 また生活者重視の政治のスローガンでやろうとするものは,結局のところ高額所得者への減税と引換えに消費税を7パーセントに上げ,福祉も後退させ,大企業やアメリカ資本の利益を保障するための規制緩和が中心というものであります。 第1は,消費税の大幅アップを狙っている問題です。自民党政府が高齢化社会危機論を口実に88年に消費税を導入,その後も老人医療制度の改悪などを繰り返し,お年寄りのため,福祉のため論がうそだったことも立証されております。税制調査会の加藤会長は週刊誌で,本当は,あれはああ言えば一般の人に分かりやすいからということでした,消費税の本来の意義はそういうものではないんですとぬけぬけと語っております。消費税は当然撤廃すべきものであります。減税にしても,年収1000万円以上の人に重点が置かれ,納税者の8割は減税とならないばかりか,年金生活者をはじめ低所得者には負担増となり,生活に与える影響は大きく,到底認められないのであります。 その結果,消費は更に冷え込み景気回復に逆行することとなります。また現在の3パーセントでも中小零細企業に与えている影響も大きいだけに,市民の暮らしを直撃する税率アップには絶対に反対すべきでありますが,市長の考え方を伺います。 細川内閣の緊急経済対策は,不況にあえぐ中小企業,国民の期待に反し,不況の最大の被害者である中小業者への更なる犠牲を強いるものと言わざるを得ません。だましの所得税減税,消費税問題とともに,94項目にも上る規制緩和策も市民にとって有害なものがたくさんございます。細川首相が編集した日本新党,責任ある変革には,規制緩和が誰のために,どんな目的で行うのか,アメリカから市場開放を強く求められているのが輸入規制の緩和,撤廃である等と述べたうえで,米の市場開放と食管制度の見直し,土地規制,開発規制の緩和,大規模小売店舗法の規制撤廃等々を主張しております。規制緩和の一つに地価監視区域制度の解除問題があります。地価がピーク時に比べて下がってきたとはいえ,まだまだ高止まりしております。不良不動産を多く抱える金融機関の救済を狙うものですが,もし解除になれば,今は金利も低いだけに再び地価高騰を招きかねません。100平方メートル以上の監視区域の現在でも,業者に取引価格が高いと引下げ指導した率は25パーセントと,依然として高い率を示しているだけに面積要件の緩和や解除をすべきではありません。市長の考え方を伺います。 次にアメリカの要求により公示地価の7割ほどにする来年度の固定資産税評価替えの問題です。自治省は,算定の基礎となる基準宅地評価額を公表しました。前回評価替えの3.16倍,住宅地では約5倍となり,市民の税負担として跳ね返ってまいります。市民は,3年前と比べて地価が下落しているのになぜアップなのかと,当然の声ですし,地代,家賃への跳ね返りを心配しております。 薦田助役は9月市会で,税負担の急激な増加とならないよう調整措置を講じていると答弁しましたが,評価替えにより約40億円の増収が見込まれていることからも,また評価額を基礎に算定される不動産取得税,登録免許税など個人の住宅購入者に大幅な負担が増加するわけですから増税にならない対策を採るべきであります。 日本共産党は,地価公示価格の7割引上げ作業の中止と生活に必要な200平方メートル以下の宅地は非課税にすべき,土地の使用形態に応じて銀行やオフィスビルは高く,中小企業,一般商店は低くと評価方法を収益還元方式とするように主張しております。東京都や大阪市が実施しましたように,自治体独自でできる都市計画税率の引下げなどをして増収分を市民に還元すべきですが,市長に考えを伺います。 不況が深刻化している中で,9月市会でも我が党議員が多面的に対策を求めました。また我が党議員団は,今朝市長に対し歳末特別生活資金の貸付限度額15万円を30万円引上げや申込期間の延長など3点にわたる年末に向けての緊急不況対策を採ることを申入れいたしました。政府の不況対策が大企業優先のために,中小業者には不況打開の光はいまだに遠いものがございます。先日,不況克服への特別措置の制度融資利率の引下げ,返済の1年間の猶予措置がされたとはいえ,今日の深刻な実態からすれば,利子,保証料は大きな負担となります。全国的に見れば,利子や保証料を負担する自治体も多いだけに本市でも実施すべきと考えますが,経済局長の答弁を求めます。 西陣,友禅など和装産業問題で質問いたします。京都の和装産業は,今絹織物の輸入の増大,消費需要の低迷などの構造的不況とバブル経済の破綻の影響を受けております。早急にやらねばならないものに,外国での生産,逆輸入問題があります。西陣の一部企業や丸紅など大手商社による産地の空洞化が急速に進んでいる問題です。外国で生産された帯地などが消費者に分からないようにして売られる,表示があっても販売段階でそれが取られたりする。原産国表示の厳格化も重要ですが,要は日本人しか着ない和装品が金儲けとして外国で安く生産されて逆輸入され,日本の伝統産業が消えてしまうのを一刻も早く防がなければなりません。西陣織工業組合も国外生産阻止の決議をしておりますが,市長もその態度を明確にして,強い姿勢で対象企業,商社に行政指導を行うべきであります。そのためにも,早急に海外生産,逆輸入の実態調査を行うべきです。また半製品だからと対象外にしている2国間協定の厳守,追加指定などを通産省や公正取引委員会にも働き掛けるべきです。海外生産,逆輸入規制の中小企業基本法第22条の発効を強く国に求めることを含め,市長に答弁を求めます。 次はポンポン山の買収問題です。本議会は92年度の決算審議が目的だけに疑惑を解明せねばなりません。9月市会で我が党議員が,昨年5月に市が議会に提出した調停申立書に記載してある原告代理人の弁護士の住所,氏名を削除して提出していたことを明らかにいたしました。これは,代理人平出馨弁護士が山梨県の人物で,金丸系企業の取締役までしていることが知られると困るからであります。法外な値段で買い取る議会審議で,不動産会社の池尻興産,子会社の北摂カントリークラブが金丸系企業と市民に知られるのを恐れたがゆえの作為的行為でありました。なぜこのようにしてまで金丸企業との関係を隠し続けたかったのか,ここに買収疑惑の問題点があります。 市長は,47億5623万円の価格は適切だと答弁しますが,私どもは,1,高額な買入れなのにわずか1社の鑑定という問題点と,その鑑定内容にも数多くの作為的な手段を用いて算出した疑惑,2,ゴルフ場会社に山林を売却した地元の人の単価から推察しても47億円余の価格は法外な金額であること,3,業者自身が市に提出した計画概要書に土地購入費を20億円と記入していたこと,4,国土利用計画法に基づく業者からの土地取引価格の届出に対し,理財局は適正な価格と証明した不勧告通知書を出していました。市長,あなたの名でその価格でよいと通知していたのであり,この価格で予定地をすべて購入したとしても約13億円にしかならない山であることを市長は知り得る立場にありました。5,裁判所の調停に代わる決定というものは,適正価格を判断するのが目的ではなく,当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で事件の解決のために必要な決定をするもので,簡単に言えば,双方の言い分の間をとって提案するものであります。市側が高い価格を意識的に作り,その高い鑑定額の範囲ならば買ってもよいと調停の場でいち早く声を出したところが問題なのであります。まさに調停は,市長,前助役らが仕組んだできレースであり,今回の買収は疑惑だらけなのであります。したがって,今回の法外な金額での購入は,地方自治法第2条で,市長は住民の福祉の増進に努めるとともに,最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないにも違反するものであります。 したがって日本共産党議員団は,このように市民の税金を無駄遣いした買収疑惑の解明に,地方自治法第100条の規定により,5月議会で調査特別委員会の設置を提案いたしましたが,他会派の議員が反対したために真相解明ができませんでした。新しい疑惑もあり,関係の決算委員会でも解明のために質疑も行いますが,市長,業者が調停申立てをしたのが昨年の3月26日,あなたが買収を含めて調停に応じると記者会見したのが調停も始まっていない4月9日。12日の新聞は,業者が市に出した計画概要書の用地買収費が20億円と報道。あなたは先の不勧告通知書の内容とともに,理財局,建設局に聞けば分かったのです。聞取り調査をしたのかしなかったのか,したのなら,なぜ47億円の法外な価格で買おうとしたのか,しなかったのなら,なぜ調査しなかったのかもお答えください。 ポンポン山の利用について市民からのアンケート募集などをしていますが,疑惑の目を市民からそらすものとして利用してはならないことも指摘しておきます。 次に後れている福祉対策についてお尋ねいたします。国際障害者年第2次行動計画の中で,私も決算,予算の委員会で早期建設を求めました重度心身障害児者の施設と療護園問題です。知的障害と身体に障害を持つ重度心身障害の方が本市で300名を超え,施設への入所を希望しながら入所できない在宅の方もたくさんございます。先日私は,施設の建設を求めているある会の勉強会に参加してまいりました。意見交流の場で,青年を在宅で介護されているお母さんの訴えに身がつまされる思いでした。その息子さんが脳の病気に掛かり,左半身が更に不随になり,これまで歩けたのが歩けず,更に介護が大変になった。施設への入所を求めて,京都では入れないので琵琶湖学園にお願いに行った。他県の人は入れないと断られ,何とかして欲しい。私の命はいつまでもつのかと悲痛な訴えでした。 市長に尋ねますが,行動計画の中でも最優先と答弁されておりました施設が,新基本計画,年次計画によれば,完成は9年度以降となっております。こんな計画で母親の声にこたえることができますか。また療護園の計画も明確ではありません。療護園建設の考えと併せてお尋ねいたします。 同じく市会で請願も採択されていながら,いまだに建設に至っていない市南部の二つ目の児童福祉センターの問題です。子供を持つすべての親が元気で丈夫に育って欲しいと願っています。それだけに子の生育に応じて障害があれば早期に発見し,適切な訓練や療育,保育を受けることは,障害の改善や発達を促すうえで大切なことは言うまでもありません。衛生局長に強く求めておきますが,乳幼児健診での受診漏れや発見漏れをなくすため,現行の検診制度の内容を充実させ,中でも受診率が低い1歳半,3歳児健診の100パーセント受診を追求してください。 あるお母さんの声です。障害が早く分かり,医師からも早く保育所に入れるように言われたが,児童相談所に行くと福祉事務所へ行けと言われ,福祉事務所ではいっぱいで入れないと断られ,保育所に直接お願いしても断られた。また唯一の肢体不自由児の通園施設は,子供60名に保母さん7名で10対1に近い。家から車で40分掛けて通い,35分間の療育を受ける。毎日の保育を願って保育園に通わせようとすると,二重措置になるので経済的負担も大きくて困るとの声です。療育とともに保育を希望する場合が多いのですが,これは並行通園が認められていないからであります。 衛生局長,障害が発見された場合に速やかに対応できるように,保健所,児童相談所との連携を強めること,経過観察となった子供に対しては,母子教室の設置などを含め体制を整えるべきと思いますがどう改善されますか。 民生局長,並行通園の制度の改善や障害児を受け入れている保育所の保母の加配,特に重度の障害児に対しては1対1以上の必要な加配をすること。遅れている第二児童福祉センターの建設が年次計画では9年以降となっており,要望の強さと必要度からかけ離れたものです。早期建設のめどについてお尋ねいたします。 障害を持つ方のスポーツの問題です。高野にある障害者スポーツセンターは,障害を持つ人々の療育,健康の増進のうえでも多くの利用を得ていますが,市内の偏った地域にあるのが欠点です。障害を持つ方の交通ハンディは想像以上のものがあります。人口10万人を単位に歩いて30分以内の地域体育館が建設されつつありますが,プールはありませんし,体育館にしても健常者と一緒にやるには問題もよく生じます。それだけに障害者が優先して利用できる二つ目の障害者スポーツセンターを市内の西南部に建設すべきと考えますが,新京都市基本計画にないだけに市長に考え方をお伺いいたします。 最後の質問は,ごみの減量化,再資源化の問題です。共産党市会議員団は,一昨年11月に,1,企業責任,リサイクルルートを明確にした市独自のリサイクル条例の制定を,2,空き缶,瓶などとともに乾電池などの有害物質の分別収集の抜本的な強化のごみ減量化への緊急提言を市長に申入れいたしました。また本年3月の清掃条例改正案に対しても,不十分な点が多く独自の修正案を提案いたしました。 分別収集の徹底による減量化の問題です。空き缶の分別収集は,6年も掛かって全市域の実施となりました。空き瓶等の再資源化を図るモデル事業が昭和49年から一部の団地等で行われ,昨年より金閣,市原野,砂川の3学区でモデル地区として行われ,今年は2学区が増えるとはいえ,このテンポでは到底おぼつかないのであります。 人口34万人の吹田市は,6年前新たな清掃工場の建設問題が起き,市民の批判の声の中で,分別回収こそが減量の道と市長が決意し,ごみ再資源化,資源の再利用,公害防止の3本柱で総合的なごみ処理システムを作り,5種分別とリサイクルセンターを建設いたしました。先日私も勉強してまいりましたが,平成4年度のごみ量は4年前より減少しております。この結果,今日でも焼却場は建設されておりません。5分別を徹底するために約3億円を掛けてすべての家庭に容器,袋を配布,10軒に1箇所のステーション用に折りたたみのプラスチック容器を提供いたしました。昨年11月完成した地上2階,地下3階のリサイクルセンターは,1階から3階は破砕選別工場,4,5階がリサイクル社会構築の施設としてのガラス工房や電器製品の再生などの場や市民大学,研究室がございます。廃棄物総合研究所では,主婦,サラリーマン,退職者など60名の研究員がリサイクル都市を目指していろんな研究をされておりました。 要は市長の熱意,姿勢の問題です。何でも焼却してしまえばよい式から脱却し,徹底した分別,再資源化を行い減量化を行えば,左京で計画されているような大規模な工場は必要ないのではありませんか。新清掃工場については,地域住民の合意なしに進めないことも強く求めておきます。 そこでお尋ねいたします。1,吹田市のように再資源化施設とともに,まだまだ使用できる大型ごみの再生,交換の場やリフォーム運動などに取り組む人たちへの情報交換の場としてのリサイクルセンターの建設を求めてきましたが,年次計画では,空き缶等の選別処理施設に市民啓発施設を併設するだけで,ごみの減量化と再資源化を徹底する施設として内容も不明確です。市長,どのようなリサイクルセンターにしようとするのかお答えください。 2,清掃局長,空き瓶等の分別回収の学区のモデル地域を行政区単位で進めるべきでありますが,今後どのようなテンポで進めていこうとしておりますか。また本年度予算で乾電池の別途回収を計画しておりますが,予定では広い京都市内でたった48箇所の回収拠点を作って回収するとのことです。区役所や清掃事務所など数か所に市民が持参するのでは,やっているという形を作るだけのものであり,もっと真剣にやるべきで,少なくとも各学区に1か所以上,小学校など市民が持参しやすい所など最初から徹底して実行すべきだと思いますがいかがでしょうか。 最後に策定作業が進められております一般廃棄物処理基本計画案は,ごみ発生量の予想量を年2.8パーセント増加と見込むなど減量にならない案となっております。発生抑制量,事業者,市民が行う再資源化量,市による再資源化量の見込みがいずれも小さいのであり,それを改めて,厚生省の指摘のように絶対的に減量となる目標値を設定すべきであります。お答えください。 以上で第一質問といたします。(拍手)
    ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) 加藤広太郎議員の質問にお答えいたします。 まず消費税の問題につきましては,現在国において税制度全般の問題として論議されているものであり,今後その推移を見守ってまいりたいと考えております。 西陣織の海外生産問題についてでありますが,本市としましては,かねてから産地を守る立場から好ましくないと表明してきたところであります。西陣業界におきましても,昨今の和装需要の不振に加え,長引く不況の下で一層の危機感が募っているところであり,引き続き業界とも十分協議いたしますとともに,機会あるごとに国へも働き掛け,その対策に努めてまいります。 以下,助役,局長から答弁いたさせます。(発言する者あり) ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 〔薦田助役登壇〕 ◎助役(薦田守弘君) まず地価監視区域の運用についてであります。この月の9日,国土庁から監視区域制度の的確な運用について通達がなされました。今後この趣旨に沿って地価動向,土地取引の状況等を的確に調査把握し,近隣府県市と緊密な連絡調整を行いながら適切な対応を図ってまいりたいと考えております。 次に固定資産税の評価替えと都市計画税の引下げについてであります。平成6年の固定資産税の評価替えにつきましては,現在作業中であります。今回の評価替えに伴う税負担につきましては,固定資産税だけではなく,都市計画税についても新たに住宅用地に対する軽減措置を実施するなど総合的な調整措置が講じられることになっております。都市計画税の税率の引下げにつきましては,道路,公園整備等多くの都市計画事業を推進するための貴重な財源でありまして,本市の財政事情から困難であります。 次に重度心身障害児施設の整備につきましては,国際障害者年の第2次京都市行動計画の最重要課題の一つとして位置付けし検討しております。また身体障害者の方のための療護施設の整備につきましても,その重要性につきましては十分認識しております。 次に京都市障害者スポーツセンターの増設でありますが,高野の既設のセンターは障害のある市民の方の健康の増進や機能回復,あるいは社会参加の促進のため設置したもので,障害者スポーツの推進拠点として大きな役割を果たしております。今後は一般の地域体育施設の利用を更に促進し,スポーツを通じて障害のある市民もない市民もともに交流を深めることによりノーマライゼーションの理念の実現に努めてまいりたいと考えております。 最後にリサイクルセンターの建設についてであります。先に発表しました新京都市基本計画年次計画書で明らかにしておりますように,空き缶等の選別処理施設のほか,ごみの減量化,リサイクルについての市民啓発施設を併設した再資源化施設を整備する考えでございます。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 内田助役。 〔内田助役登壇〕 ◎助役(内田俊一君) 西京区大原野のゴルフ場計画地の取得についての御質問でございますが,この件につきましては,かねてより御説明申し上げておりますとおり,貴重な自然を豊かに有する市民の財産として裁判所の職権による調停に代わる決定に基づき適正な手続を経て取得したものでございます。その際,価格につきましては市独自で不動産鑑定士の鑑定評価を依頼いたしまして,その鑑定評価の範囲内,適正なものと判断したものでございまして,御指摘のような法外な価格ではございません。(発言する者あり) ○議長(川中増次郎君) 高木経済局長。 〔高木経済局長登壇〕 ◎経済局長(高木寿一君) 不況対策でございますが,この11月1日から制度融資全体の利率の引下げと1年間の返済猶予や返済期間の延長など特別措置を実施しているところでございます。この措置は,ここ1年間が中小企業にとりましては最も危機的な時期だという判断から実施しているものでございまして,融資利率を極力低く設定いたしましたので,御質問の利子や保証料の補給につきましては実施する考えはございません。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 森脇民生局長。 〔森脇民生局長登壇〕 ◎民生局長(森脇史郎君) 並行通園制度の改善や障害のある児童を受け入れている保育所への保母の加配につきましては,国制度とのかかわりや財政上の問題から今以上の充実は困難でございます。しかしながら,障害のある児童や保護者がより身近で相談や療育が受けられるよう,市南部地域に児童療育センターの設置を検討しております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 南澤衛生局長。 〔南澤衛生局長登壇〕 ◎衛生局長(南澤孝夫君) 乳幼児の障害の早期発見につきましては,保健所において医師,保健婦,心理判定員等の専門職による健康診査を実施しているところでございまして,その結果,精密検診が必要とされた者につきましては,従来から児童相談所や医療機関に連絡いたしまして治療につなげております。また経過観察が必要とされた者につきましては,再度健康診査を受診させますとともに,必要に応じまして保健婦が訪問いたしております。今後につきましても引き続き関係機関との連携を図りまして継続的な指導援助を行ってまいります。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 藤野清掃局長。 〔藤野清掃局長登壇〕 ◎清掃局長(藤野雅彦君) 空き瓶の回収につきましては,3学区の地域モデル事業や他の団地などのモデル回収実験を実施してきておりますけれども多くの課題がございます。今後再資源化を進めるためには,まずリサイクルルートを確保しなければなりませんし,またより高い回収率,市民の協力が得られる方法等も検討して実施しなければならないと考えております。また市民の家庭から出る使用済みの乾電池の回収につきましては,ごみの再資源化,資源の有効利用の観点から12月1日から市内の清掃事務所や区役所支所,保健所など48箇所に回収箱を設置して回収してまいります。 一般廃棄物処理基本計画につきましては,現在京都市廃棄物減量等推進審議会におきまして,ごみの減量策を中心に御審議いただいております。審議会では,ごみの発生抑制や再資源化による減量など行政,事業者,市民がそれぞれの役割の中でどういうごみをどのようにして減らすのかなど具体的方策について活発に検討していただいているところでございます。今後審議会で取りまとめられた意見を踏まえまして,実効性のある一般廃棄物処理基本計画を作成してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 加藤広太郎君。 〔加藤広太郎議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤広太郎君) まともな答弁が少なくて残念でなりません。とりわけ指名もしていない助役のポンポン山の答弁には,鑑定の範囲の正当な価格だとか,正当な手続だとか言うだけで具体的に指摘した疑問には答えておりません。部下がつかんでいる価格さえつかもうとしない,いやつかんでいても言えないのか。47億円で何が何でも買うための一連の行為だったというふうに思います。私は市長に質問しているのであり,今の答弁は全く的外れでありますので,質問に沿った答弁を市長がすることを再度求めます。 後れている福祉対策を進めるには予算をきちんと付けることです。高速道路計画など大事業優先のあおりを受けるのがこの分野だけに,私たちは市民と力を合わせて実現に頑張る決意でございます。 ごみ問題も市長がその決意をして予算を付けるかどうかに掛かっており,市民がそれを見ていることを指摘して,不十分な答弁の問題を含めて,月曜日から行われます委員会で同僚議員とともに質疑することを約束いたしまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) お答えいたします。 先ほど助役が答弁したとおりでございます。(発言する者あり)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) 次に市政一般について,高嶋弘恵君に発言を許します。高嶋君。 〔高嶋弘恵議員登壇(拍手)〕 ◆(高嶋弘恵君) 公明党の高嶋弘恵でございます。私は,公明党市会議員団を代表いたしまして,市政一般について質問させていただきます。先の質問と重なる点も多々あると思いますけれども,市長はじめ関係理事者の誠意ある明確な御答弁をお願いいたします。 明年平成6年は,この京都の地に平安京が建設されて以来1200年目という記念すべき年を迎えます。小学校時代,ナクヨウグイス平安京と日本史の勉強で覚えたあの平安京に1200年後の今日,生を受けていることに万感の思いと,都を長きにわたり守り発展させた先人への感謝の思いでいっぱいです。 〔川中議長退席,可児副議長着席〕 ◆(高嶋弘恵君) (続)1200年と一口に申しますが,長いその歴史には様々な試練や危機を幾度もくぐり抜け,歴史の転換期には私たちの先人が英知と情熱を結集し,京都の新しい発展を図る先進的な努力が続けられてきました。しかしながら今日の京都は,先人の守り育てたすばらしい文化遺産,都市機能を誇る反面,都市基盤の整備,経済活動,芸術文化の創造活動等の面で様々な課題を抱えており,そうした下で建都1200年という記念すべき年を迎えようとしています。 今私たちは,改めて先人の英知と情熱に学び,京都の創造的再生を図り,未来の京都発展の基礎を築かなければなりません。そのためには一連の建都1200年記念事業を行政が一方通行で行うのではなく,市民と一体となって成功させ,来る21世紀,ひいては建都1300年に向けてのエネルギーとしなければなりません。そこで1200年記念事業について6項目にわたって質問させていただきます。 まず最初に市民にとっての祝典についてであります。明年1年の概略の計画を聞きますと,11月8日を記念式典として,1300年へのスタートとなる平安宣言など国際会議場での式典を計画されているところですが,市民にとってのお祝いとなる祝典についても大きなイベントが開催されて当然ではないかと思います。あと1200年目まで42日と迫った今日,どうお考えなのかお聞かせください。 2番目は梅小路公園で開催される第11回全国都市緑化きょうとフェア関係についてお尋ねいたします。暮らしと緑のテーマの下,エントランスゾーン,町家ゾーン,庭園ゾーン,遊びのゾーンと大別され,華道,茶道,香道の心に迫る緑の館等,京都ならではの魅力あふれる会場にと工夫を重ねられており,是非市民をはじめ全国からも来ていただきたいとの思いは私一人ではないと思います。 先に開催された茨城県の緑化フェアでは167万人の入場者を数え,また神奈川県の緑化フェアでは何と181万人もの来場者があったと聞きましたが,本市の梅小路公園の1日平均見込入場者数は何名を予定して計画されているのでしょうか。またマイカーや観光バスによる来場者のための駐車場対策は極めて重要であると思います。今年の開催地茨城県水戸市においては,駐車場として平日に3073台分,休日には臨時駐車場として3477台分を含め計6550台分,また昨年の開催地神奈川県相模原市においても,平日で約3000台分,休日には臨時駐車場を含め5000台分が用意されました。いずれの会場もこれだけ用意したにもかかわらずピーク時には満杯であったと聞いています。 ところが梅小路公園の駐車ゾーンは180台しか駐車できないと聞いていますし,中央市場や周辺の会社に交渉中と聞いていますが,その後の経過と見通しを,また一般乗用車と観光バスの出入口は同じなのか別々なのか,その位置はどこになるのかなど駐車対策についてお聞かせください。 次に京都駅や四条大宮からのシャトルバスの1日の運行計画や乗降場所,更に梅小路公園会場にJR山陰線の臨時駅ができると聞いていますが,1日の運行本数と輸送計画,駅の位置についてお知らせください。 次に市民に親しく来ていただけるためにキーポイントとなる入場料金についてであります。梅小路公園の入場券緑のパスポートは,大人1300円,小,中学生700円となっていますが,府下のもう一つの会場である関西文化学術研究都市,学研記念公園会場は,学研都市のまちびらきイベントと一体で開催されるため無料となっています。会場が分かれているとはいえ大きな差があるように思います。これによって入場者数に影響があるのではないかとも思われますので,入場者の誘致対策の強化を強く要望しておきます。 また水戸市などの開催地は,フェア前から既に公園として機能していた所であり,植樹等を一からしなくてもよく,それに比べて本市のフェアは舞台となる公園づくりから行わなければなりません。開催まであと10箇月しか残されておりませんが,果たして開催時に力強く息づいた木々を育てられるのか危惧されますし,またこのままの推移で間に合うのでしょうか心配です。工事全体としての進捗はどうでしょうか。また現在の最大の問題点は何とお考えでしょうか。 更に全国都市緑化きょうとフェア開催後に残される施設と跡地の利用について伺います。これまでいろいろな公園や羅城門再建等の提案もありますが,この貴重な梅小路公園をどのように今後生かし,市民に活用されるよう整備していくお考えなのかお聞かせください。 3番目に第4回世界歴史都市会議についてお尋ねいたします。来年4月25日から4日間,国立京都国際会館で歴史都市の英知を求めてのテーマで,世界53都市の参加を求めて開催されますが,先日,この会議に参加招請のため田邊市長は,キエフ,サンクトペテルブルク,クラクフ,プラハを,また空谷収入役等もそれぞれ分担して各都市を訪問されましたが,その反応や感触はどのようでありましたか。また戦禍を受けた都市や経済的,政治的混乱が伝えられる都市等の参加や参加都市数の見通しはどうでしょうか。また京都市での世界歴史都市会議の開催は2回目を迎えますが,前回と趣を異にする点や,具体的にどのような型式での開催なのか,併せて開催される世界女性会議の開催内容についてもお答えください。 4番目に左京区下鴨に工事中の京都市コンサートホール建設に伴う音楽イベントについて少し提案しておきたいと思います。本格的なコンサートホールの建設に向けては既に同僚議員の熱心な質問が繰り返されておりますので割愛させていただき,課題となっている音楽人口の増加,聴衆の獲得並びに演奏活動を支える聴衆づくりについてであります。 それは毎年8月に恒例行事として全国のトップレベルの合唱祭,また世界の合唱祭を本市のコンサートホールで開催してはいかがでしょうか。8月は観光の行事もたくさんあり,また子供連れで京都に来られることも可能です。歓喜の歌声を通して交流の花が咲き,音楽文化の振興と観光客の誘致という一石二鳥にもなると思います。是非考慮に入れていただきたいと思い要望しておきます。 5番目は建都1200年記念事業で忘れてならない大切なことがあります。記念事業のテーマ伝統と創生の創生を担う明日のエネルギーである子供たちのことです。子供たちに1200年にわたる京都の歩みを教え,先人の残した京都のすばらしい伝統を継承し,21世紀に向けて発展させていくのは自分たちなのだという自覚をはぐくむことが一番重要であると思います。そうした意味で,子供に焦点を当てた,子供の視点に立った建都1200年事業の取組については,今後の京都の発展を左右する大切な問題としてどのように考えておられるのか,また何か計画があるのか,教育長にお尋ねいたします。 最後の6番目ですが,来年は冠に建都1200年記念と付けられた数多くのイベントが開催されますが,すべてが一過性のものに終わることなく,21世紀の京都の発展に脈々と受け継がれなければならないと思います。100年後の建都1300年の京都の市民から感謝されるよう,例えば100年前に田辺朔郎博士によって琵琶湖疏水が開通し,今も146万市民に命の水を供給し続けているように,くしくも名前も同じ田邊市長は,100年後の市民へのプレゼントとして自信を持って残せる偉業は何なのか,御所見をお伺いいたします。 政治の役割は,母と子を救うことであるとは,フランスの作家アンドレ・モロアの言葉でありますが,現代の少子化,また世界的に問題となっております難民問題等,また生活者の政治が求められる政治的状況を考えるとき,私は女性の一人として今こそこの言葉の重みを痛感するものです。近年,児童や家庭を取り巻く環境は,核家族化や都市化の進行,女性の社会進出の増加,児童の遊び場や遊び仲間の減少,家庭や地域における養育機能の低下等,大きくかつ急速に変化してきております。国においては,児童環境づくり推進協議会が設置,運営されていますが,厚生省は平成6年度にエンゼルプラン・プレリュードをスタートさせると聞いております。また来年は国際家族年でもあり,国も記念シンポジウムをはじめいろいろな記念事業の計画が予定されています。子供が育つ基盤である家庭が,家族あって家庭なしの流行語が出る昨今,21世紀を目前にした現在,家族のきずなや社会の中における家族の役割について見詰め直す必要があるのではないでしょうか。 そこで保育需要の多様化と保育制度の在り方についてお尋ねいたします。京都市においては,1人の女性が一生に産む子供の数,すなわち合計特殊出生率は1.33と全国平均の1.50よりはるかに低く,社会福祉審議会の答申,今後における保育制度の在り方についてにおいても,健やかに子供を産み育てる環境づくりに早急に取り組むべきであると答申されています。今こそ仕事と育児の両立を支援し,また地域における子供の健全育成対策の拡充等,子供が健やかに生まれ育つための環境づくりに総合的に取り組む必要があると思います。市長はこの具体的取組をどのように考えておられますか,お答えください。 また専業主婦の生涯出生率は3.05ですが,働く女性の場合はわずか0.75であります。この数字が示すように,出産をためらう社会的要因は積極的に取り除かなければなりません。共働き夫婦にとっては,保育サービスの充実が特に強い要望となっています。保護者の就労形態の多様化や核家族化による育児能力の低下等により保育の需要は増加し多様化してきています。 先日も聞いた話ですが,乳幼児の定期検査に若い母親が困り果て,悩み切った顔で,保健婦さん,うちの子のおしっこは水色をしていないんですと,その若い母親からしてみると,テレビで見る紙おむつの宣伝では,いつも水色のおしっこが出ているので,自分の子供はどこか悪いのではないかと思ったとのことです。また反対に,情報の氾濫する中で必要以上に神経質になって,アトピーにならないようにと卵や牛乳などの食事制限をしなくてもよい人が,医師の指示でもないのに,独断で一切卵,牛乳を食べないなどと間違った思い込みが目立ちます。こうした例が物語るように,核家族化による育児能力の低下が挙げられます。 こうしたニーズにこたえて国ではエンゼル・プレリュードが発表され,その中では,通勤の最寄りの駅の近くに子供を預けられる駅型保育,在宅保育,延長保育の拡充など保育需要の多様化や社会変化に対応した制度,費用負担の在り方などを検討するため,保育問題検討会が置かれ,年内には報告書が出されると聞いております。京都市においても,今後の保育の在り方について新たに検討する必要があると思いますが,この点どのような考えをお持ちですか,民生局長にお伺いいたします。 次に本市の市内保育所の88パーセントを占める民営保育所職員の労働条件の改善について要望いたします。最近の入所児は産休,育児休暇明け等による年度途中入所児や障害を持つ子,あるいはアトピーと診断された子は,3歳児の場合30パーセントにも達していたとの調査結果もあり,大変多様化してきています。また保育所は,地域の子育て支援センターとしての役割も期待されてきており,こうした保育需要の多様化に対応するためには,保母や調理員の増員,栄養士の配置等,保育所のより充実した体制整備が必要です。調理員さんの例を一つとっても,先日もある民間保育園の園長さんが,調理員の加配が園児120名以上でも1名であり,乳幼児が7名未満の所は調理員1名では賄い切れないとの現状を訴えておられました。 乳幼児には離乳食,アレルギー児個々への対応,年齢別のカロリー計算,10時,3時の2回の手作りのおやつと休む暇なしで,おやつの後はすぐ明日の準備に取り掛かり,材料の注文をしないといけないのが勤務の現実です。この労働時間については民営保育所と公立保育所との格差が大きく,やはり保母さんもゆとりを持って園児に接しられる,心身ともにリフレッシュできる労働時間の短縮を要望されています。 公立と民営との格差の解消は,先の社会福祉審議会の答申においても指摘されていますが,特に労働時間短縮に向けての対策が強く要請されています。京都市の保育行政を支えていると言っても過言ではない民営保育所の職員の労働時間短縮に向けて,今後どのように対応されるお積もりなのか,民生局長にお伺いいたします。 次に地球に優しいまちづくりの観点からお尋ねいたします。ケニアの諺に,地球を大切にしなさい,それは親からもらったものではなく,子供たちから借りているものだからだとありますが,かけがえのない緑の地球,私たちが育ったすばらしい環境や資源を守り,次代を担う子供たちに美しい形で継承していくことが私たちに課せられた大切な責務であると思います。私たちの生活は,今までにないすごい発展をし,生活に便利さと豊かさをもたらしましたが,その結果,限りある地球資源を無計画に消費して地球環境の破壊を招き,世界的に大きな問題となっています。 例えばフロンガスによるオゾン層の破壊が進み,皮膚癌の多発傾向が現れたり,また熱帯雨林の破壊による二酸化炭素の増大と砂漠化で地球の温暖化や異常気象をもたらし,この夏の冷夏もそれらが大きな原因となっており,農作物,とりわけ私たちの主食であるお米が不作という多大な影響をもたらした間接的原因ではないかとも言われております。 そうした中で,本市では社会情勢の多様化に伴い,また市民のニーズにこたえて数多くの公共施設が次々と建設され,特に最近,建都1200年の関連で一段と建築物が多く計画されていますが,地球環境保護に貢献していくためには地球に優しい省資源,省エネルギーへの配慮が種々なされるべきであると思います。地球環境保護推進の立場から,公共の建築物に積極的にどのような対策で取り組んでおられるのか,また民間の建築物に対してはどのような指導をなされるのか,御見解を住宅局長にお尋ねいたします。 最後に地元山科の問題についてお伺いいたします。地下鉄東西線は,完成が平成8年末と2年近く遅れることが明らかになりました。それに合わせて山科駅前再開発事業も平成10年に完成が3年ずれ込む見通しをお聞きし,地元の皆様の期待が大きかっただけに残念でなりません。しかし先日,キーテナントであるブライトンホテルと大丸百貨店の発表があり,再開発事業もいよいよ拍車が掛かりますが,是非地元の期待に沿う大成功をしていただきたいと思います。 その一つの手立てとして,地下鉄東西線の開通と同時に開始できるよう,山科の豊かな自然や史跡を生かした独自のヒストリカルトレイル構想を進められてはいかがでしょうか。 京都市では,2年前から東山,北山,西山を結ぶ京都一周トレイルコースづくりを進められ,東山コースの整備は終了し,これから北山,西山へと進められますが,なぜか東山を越えた自然,歴史,文化の都山科は取り残されています。山科の歴史は平安京よりも古く,山科区では文化協議会の中で毎月山科区民史跡探訪という企画がなされ,史跡については長年研究を重ねておられるメンバーが活発に行動されております。そうした方々の情熱あふれる力を行政もおかりし,トレイルコースも山科駅からの半日コース,また地下鉄の御陵駅,東野駅,椥辻駅,小野駅と各々の駅を出発点にした数多くの史跡めぐりのコースが考えられます。心ときめく夢のあるプランを作成して欲しいと思います。京都に来られる観光客も減少している今日,魅力あふれる山科は新鮮な印象を与えることは間違いないと思います。市内の観光地で一番人気のある清水坂周辺からも地理的に近いですし,地下鉄各駅と結ぶ市バス運行系統の抜本的な見直し等も行われるやに聞いておりますので,是非山科区発展のばねになるよう検討委員会を早期に発足させて着手していただきたいと思いますが,御所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。長時間の御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(可児達志君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) 高嶋議員の質問にお答えいたします。 まず平安建都1200年事業についてのお尋ねでございますが,財団法人平安建都1200年記念協会が主催いたします式典,祝賀行事につきましては,6月6日を平安建都1200年を祝い楽しむ祝典と位置付けまして,また11月8日を建都1300年に向けての新たな一歩を踏み出す式典といたしております。 祝典につきましては,梅小路公園をメーン会場といたしまして盛大に開催し,市民をはじめ国内外の人々に平安建都1200年を強くアピールしてまいりたいと思います。また前夜祭では音楽を中心にした催しで京都のパワーを全国に向けて発信いたしてまいります。更に祝典に引き続きます数日間の祝賀行事では,特設ステージでスペシャルイベントを開催いたしますとともに,京都の伝統芸能や伝統工芸を優しく表現いたしまして京都文化に触れながら楽しんでいただける場としてまいります。本市といたしましても,多くの市民の方々に参加していただき,平安建都1200年を実感していただくとともに,国内外からのお客様にも京都の熱気と活力をお伝えできるものと確信いたしております。 第4回世界歴史都市会議の招請活動のために訪問いたしましたキエフ,サンクトペテルブルク,クラクフ及びプラハの各都市は,いずれも国の独立や政治体制の変革の中で政治経済情勢が大きく変化しつつある都市でありますが,いずれの都市も歴史都市会議に参加するにふさわしい都市でございまして,それぞれ多くの困難を抱えながら歴史都市としての諸問題に真剣に取り組んでおられます様子がうかがえました。来年の第4回世界歴史都市会議には,いずれの都市からも積極的に参加したいという意向の表明がございました。招請都市の中には,御指摘のとおり戦禍の後遺症や経済的混乱が伝えられる都市が含まれておりますが,それらの都市からも積極的に会議参加の意思表明がなされておりまして,現在のところ全体で約40都市の参加を見込んでおります。 前回の第1回歴史都市会議は,伝統と創生をテーマに,主として都市の保存と開発の問題について論議いたしました。来年の第4回会議におきましては,歴史都市の英知を求めてというテーマの下に,市民生活の広い分野にわたりまして歴史都市が蓄積してまいりました知恵について,また歴史都市が直面しておりますもろもろの都市問題につきまして,更に新たな都市間交流の在り方について各セッションにおいて各都市の御意見を聴き議論を交わしていきたいと考えております。 またこの機会に広く市民の方々に参加していただきますよう,例えば会議の傍聴,参加都市の市長による特別講演会の開催など会議の運営について検討いたしております。また京都と類似性を持っております国内の都市によります会議,京都ゆかりのまちサミットを同時に開催することを計画いたしておりまして,文化首都の中核を目指す京都を広く内外に周知いたしますとともに,京都市のステイタスを高め,平安建都1200年記念事業の重要な一端を担うイベントとして成功させていきたいと考えております。 次に後世に残る平安建都1200年事業についてのお尋ねでございますが,明治期の琵琶湖疏水の開削や小学校の開校などの明治の京都策が近代京都を通じて築いてまいりましたように,本事業が平成の京都策である新基本計画を推進する飛躍台であると考えておりまして,21世紀京都における新しい挑戦のための基礎づくりとすべく市民の皆さんとともに鋭意事業の進捗を図ってまいります。 現在平安建都1200年記念事業といたしまして取り組んでおりますコンサートホールや新勧業館,梅小路公園,地下鉄東西線の建設,和風迎賓館の誘致,世界人権問題研究センターの設立など多くの事業は,いずれも京都の都市基盤を確立し,産業の振興,文化の発展に寄与するものであると確信いたしております。また記念イベントにつきましても,建都1300年を視野に入れた京都の新しい魅力となるよう力を入れてまいりたいと考えております。 子供が健やかに生まれ育つための環境づくりにつきましては,近年の少子化,核家族化の進行や女性の社会進出などの子供を取り巻きます状況の変化の中で,来るべき高齢化社会を真に活力あるものとするためにも,社会全体で取り組んでいかなければならない重要な課題であります。現在国におきましては,御指摘のようにエンゼルプラン・プレリュードとして子供を取り巻く環境の改善のための各種の施策が計画,予定されております。本市におきましても,新京都市基本計画に基づきまして健全な生育環境を整備することといたしておりますが,国の動向も見ながら子育て支援の強化などの施策を推進してまいりたいと考えております。 以下,助役,局長から答弁させていただきたいと思います。 ○副議長(可児達志君) 薦田助役。 〔薦田助役登壇〕 ◎助役(薦田守弘君) まず世界女性会議についてであります。この会議は,名称を国際女性フォーラムinKYOTOと正式に決定し,女性総合センター,ウィングス京都のオープニングフェスティバルの一環として開催の予定をいたしております。この国際女性フォーラムinKYOTOは,諸外国の女性との相互理解や協力を促進するためのきっかけづくりとして,在日外国人女性と市民の草の根交流を中心とした内容にしていきたいと考えております。具体的なものにつきましては,出演者の交渉を含めまして現在準備を進めているところでありますが,諸外国からも基調講演などにゲストを招聘する予定をいたしております。 次に京都一周トレイル山科の整備についてでございます。平成3年度から自然景観や歴史的雰囲気,文化に触れながら散策できる新しい観光コースとして,京都の外周の山間部などを結ぶコースの整備に着手いたしております。これまでに東山コースの整備を完了させており,北山コースの一部に着手いたしております。今後西山コース,洛南コース,更には山科・醍醐コースの整備を逐次行ってまいりたいと考えております。御提案の山科・醍醐コースにつきましては,現時点では大文字山から疏水公園,牛尾山桜馬場,上醍醐を経て日野に至る約20キロメートルのコースを想定いたしております。以上でございます。 ○副議長(可児達志君) 内田助役。 〔内田助役登壇〕 ◎助役(内田俊一君) 梅小路公園の整備についてでございますが,明年の第11回全国都市緑化きょうとフェア開催までに庭園や緑の館を恒久施設として整備いたすこととしておりますが,更に四季の森,芝生広場,ふれあいの広場など整備いたしまして,平安建都1200年を記念する公園として,更には京都の新しいシンボルとなる公園として防災機能を合わせ持った大規模な緑の拠点を創出してまいりたいと考えております。更にこれに加えまして,時代に即応した地域の活性化という観点から,今後の施設計画について周辺の土地利用と併せて研究を重ねてまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(可児達志君) 森脇民生局長。 〔森脇民生局長登壇〕 ◎民生局長(森脇史郎君) 保育需要の多様化と保育制度の在り方につきましては,平成4年7月に京都市社会福祉審議会から答申を受けたところでございます。その中で公的保育制度を維持し,新たな保育需要にこたえるべく制度を拡充していくことが必要であるという方向性が示されております。本市における今後の保育制度の在り方につきましては,答申の趣旨を尊重しつつ,国のエンゼルプラン・プレリュードをはじめとする国の施策や保育問題検討会並びに他の政令指定都市等の動向を慎重に見極め検討してまいりたいと考えております。 民営保育所職員の労働条件の改善につきましては,現在国基準を超える職員配置を行って労働条件の改善に努めております。近年では年齢別保母配置基準の改善を行い,また今年度につきましても一定の労働時間短縮経費を予算化して対応を図ってきたところでございます。しかしこれらの改善はすべて単費で行っている関係上,厳しい財政事情の中でその財源確保に大きな困難があるのが現状でございます。本市といたしましては,今後とも労働時間短縮を含む公私間格差問題について引き続き検討を進めてまいる考えでございます。財源的には国制度の一層の充実も必要であり,国に対しても強く要望を続けてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(可児達志君) 蜷川建設局長。 〔蜷川建設局長登壇〕 ◎建設局長(蜷川一朗君) 第11回全国都市緑化きょうとフェアについてでございますが,梅小路公園会場の会期中の入場者につきましては100万人を目標としており,1日平均の入場者見込数は1万7000人を予定しております。緑の大切さを市民の方々に御理解いただくため,できるだけ多くの方々に来場していただきたいと考えております。 次に会場への交通輸送計画等については,来場者の安全性,快適性はもちろんのこと,会場周辺地域の市民生活や道路交通に与える影響を十分に考慮する必要があると考えております。このため,まず山陰本線の大宮通西側付近にJR臨時駅を設置する予定で,JR西日本と協議を進めており,1日の運行本数など輸送計画については引き続き協議を進めてまいります。また京都駅と四条大宮からのシャトルバスを運行することとし,本数,運行計画や乗降場所について現在交通局と協議を進めているところでございます。 このように梅小路公園会場が交通の便利な場所にあるため,公共交通輸送機関を最大限利用していただけるようにPRに努めてまいりたいと考えております。しかしながら,一般乗用車の来場をなくすことが困難と考えられることから,中央市場や西本願寺をはじめ近隣で臨時駐車場を確保すべく現在関係先と協議を行っており,一定数については確保できる見通しとなっております。 なお会場内に設置します駐車場については,体の不自由な方々及び管理用のみの利用と考えております。また観光バスの発着は,会場入口に設置するターミナルで行うこととしております。 最後に梅小路公園の整備につきましては,本年6月に起工式を行い,現在庭園や緑の館などをはじめとする施設整備に鋭意取り組んでいるところでございます。整備工事は順調に進んでおり,庭園,流れ,園路等の周辺に多くの樹木を植栽するなど,緑が皆無であった梅小路駅貨物跡地を花と緑のあふれる京都らしい緑化フェア会場として完成させてまいります。以上でございます。 ○副議長(可児達志君) 武居住宅局長。 〔武居住宅局長登壇〕 ◎住宅局長(武居桂君) 地球に優しい建築物についてでありますが,本市の公共建築物につきましては,排熱も利用できる自家発電装置を本年6月に竣工いたしました健康増進センターで採用したのをはじめ,現在建設中でございます新勧業館には太陽の光を利用した発電システムを一部導入し,また各施設においては順次フロンを使用しない冷凍機への取換えを行っております。また一方,各建築工事におきましては,熱帯産木材の使用量を削減する工法を用いるなど取組を行っております。また民間建築物につきましても,ホテル,店舗,事業所等で一定の規模以上のものにつきまして省エネルギー計画書の提出を求め指導しております。今後とも省エネ,省資源により緑化の推進や環境に配慮した地球に優しい施設づくりに努めてまいります。以上でございます。 ○副議長(可児達志君) 桝本教育長。 〔桝本教育長登壇〕 ◎教育長(桝本頼兼君) 建都1200年についてでございますが,子供たちがその意義を理解し京都に愛情と誇りを持つとともに,次代を担うという自覚を持つことは,おっしゃるとおり誠に重要でございます。このため教育委員会では,教員用指導資料の作成や子供たちから記念絵画,作文を募集しタイムカプセルに収めるなどの21にわたる多彩な事業を計画しております。また来年2月6日の小学校大文字駅伝大会に,パリ,ボストン,西安に加えキエフ,ザグレブからの参加も得て姉妹都市の子供たちとともに都大路を駆け抜けることになりました。今後御趣旨を踏まえ,更に創意工夫を加え,子供たちにとって意義ある年となるよう努めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(可児達志君) 暫時休憩いたします。 〔午前11時47分休憩〕 〔午後1時2分再開〕 ○副議長(可児達志君) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(可児達志君) 休憩前の一般質問を継続いたします。 次に市政一般について,小林澄江君に発言を許します。小林君。 〔小林澄江議員登壇(拍手)〕 ◆(小林澄江君) 私は,公明党市会議員団を代表し,市政一般について質問いたします。やや細目にわたりますが,市長並びに関係理事者におかれましては,何とぞ温かい,そして歯切れのよい御答弁をお願い申し上げます。 では早速ですが,景気対策からお伺いいたします。バブル崩壊後の日本経済は,構造的で複合的な不況となり,当初の予想に反して長期化の様相を呈し極めて深刻な状況に陥っています。今月9日の経済企画庁の月例報告においても,日本経済は総じて低迷が続いており,後半にも回復の兆しが見えないとし,更に12日には,景気の転換点は91年4月と判定し,この11月で31か月も続く今回の不況は,戦後最長となる可能性が出てきました。最近の各種経済指標でも,特に近畿の不況は殊のほか厳しい状況とする中で,京都市の不況対策について3点お伺いいたします。 今年10月に発表された平成5年7月から9月まで3か月間の本市の景気の動向を,その指標である景気動向指数で見ると,企業景気動向指数でマイナス58.6,生産・販売量動向指数でマイナス60.3,そして経常利益動向指数ではマイナス69.9と,前期に初めて回復傾向を示した3主要指数が再び下降した形になり,景気は足踏み状態,その回復は一進一退という悲観的な調査結果を示しております。まさに本市の各企業,中小企業を取り巻く経営環境は,円高や長雨,冷夏の影響で一層の悪化が予想され,ますます厳しくなってきていることは御承知のとおりです。それだけに京都市民の細川政権に対する期待は,政治改革の実現と併せて,消費マインドを喚起させる所得税減税など政策的な景気対策はもとより,更に強力で迅速な追加的不況対策の実施に大きく向けられています。 本市は,この11月から各種融資制度の利率引下げと期間延長や返済猶予等の緊急措置を実施されたところですが,更なる充実を図るため,借入金の返済資金融資制度も導入し企業経営者の負担を軽くすべきだと思います。この点についてまずお考えをお伺いいたします。 次に先に述べました景気動向調査にも明らかなように,個人消費の低迷,設備投資の不振などから景気回復の見通しが立たない中,経営者の多くは今後の経営課題については,体質強化策として特に営業力の強化に最大限の努力を払っていこうとする傾向が見られます。本市として,こうした動きにどうこたえ,問題点の改善に対応していくのかも大切な課題です。そこでまず中小企業指導所本来の経営相談,指導,教育などを強化する必要があると思います。しかし現実には申込数が増加しているにもかかわらず,指導所の相談窓口業務などをはじめとする陣容は以前と変わっていないようですが,本来の指導機能は満たされているのでしょうか。組織強化について今後どのようにお考えになっていくのかを併せてお伺いいたします。 3点目に現在の不況対策は地方レベルだけでは当然補えないものであることは申すまでもありません。長引く不況にあえぐ中小企業の状況が待ったなしであるための緊急対策として,政府は中小企業のリストラを支援するいわゆるリストラ支援法を急遽10月22日に閣議決定し,今臨時国会に提出,11月12日には参議院本会議で可決され成立しました。新分野や海外進出のための低利融資,更に税制面での優遇措置など17条にわたる7年限りの時限立法ですが,本市としても積極的に活用すべきと思います。政府のこうした動きに対して,本市としては今後どのように対応されていくおつもりなのか,御所見をお伺いいたします。 次に商品切手発行税についてお伺いいたします。商品切手発行税は,戦後の荒廃した社会の中で都市復興のための財源確保として導入された税制であり,百貨店の商品券はじめ,今ではビール券,酒券,そして果物券や食事券などの商品券の発行に際して課税されています。長い歴史を持つこの税金は,地方自治体が法定外普通税として独自に課税できる地方税です。 昭和5年,当時の東京市をはじめとして全国18都市で導入されてきましたが,京都市は昭和6年から導入され,税率は3パーセントとなっています。本市の平成4年度の決算では約5億6300万円の税収となり,市税全体の0.2パーセントを占めています。しかし近年商品切手発行税が都市間,企業間で不公平,不合理を生んでいるとして全国的に本税の見直しが行われています。 その主な問題点としては,1,消費税の導入で二重の課税体系となり,消費者に税制への不信を持たせていること。2,同じ近畿圏でも課税される都市と課税されない都市があり不公平を生じていること。3,課税対象が物品との引換えを目的とした有価証券であるため,テレホンカードなどのサービス給付には非課税であるというアンバランスな取扱いとなっていること。4,プリペイドカードなどの必要性が日常生活の中で更に拡大しているとき,本税の存在がその普及を阻害する要因になっていること。5,果物券,食事券,寿司券など,小売店が大型店との競争に対抗して共同して発行する商品切手への課税が小売店には大きな負担となり,その発展を妨げていることなどが挙げられます。以上のように商品切手発行税は,社会情勢が大きく変化する中で既に時代に取り残されたものであり,これを存続させることは本市経済の活性化にも悪影響を及ぼすのではないかと思われます。 これらの問題点を踏まえ,国においても社会経済情勢の変化等に留意し,適時適切な見直しを行うことと指摘しています。この中で,平成4年度まで18あった商品切手発行税課税団体のうち10団体が平成5年度からこの税を廃止し,残った8団体のうちでも数団体は既に平成6年度からの廃止を決めたり廃止の意向を持っています。もし京都市にだけこの税が残るようなことになれば,ただ今申し述べました様々な問題が本市に集中するだけでなく,現在,自前で税を負担している商品切手の発行者が経費の節減を図るためにそれを消費者に転嫁し,消費者はその負担を逃れるため商品券を本市以外の場所で購入するなど本市の経済に少なからぬ影響を与えることも考えられます。 もちろん現在の厳しい財政状況の中で,本税は貴重な自主財源であることは十分認識できますが,二重課税の問題,公平性の問題,本市経済の活性化の問題,更に他都市の状況等を考えるとき,本市においても商品切手発行税は平成6年度から廃止すべきではないかと考えますがいかがでしょうか。 また廃止により発行者が得ることになる反射的な利益は,何らかの形で消費者なり市民に還元するよう図ることが適当と思います。その具体的方策を本市は発行者と協議され誠意ある回答を引き出していくべきだと考えますが,市長は,本税についてどのように御認識され,どう対応されるおつもりでしょうか。また,もし廃止するとすればスケジュールなどはどのようになるのでしょうか。明快な御方針をお答えいただくようお願いいたします。 続いて組織改革の一環として仮称女性政策課の新設についてお伺いいたします。男女共生社会を目指す女性の活動拠点,愛称ウイングス京都のオープニングフェスティバルの日程も決まり,いよいよ女性総合センターの完成が待たれるばかりとなりました。今年7月に発表された総理府婦人問題企画推進会議の報告によれば,全国に先駆けて女性政策課を設置した京都府をはじめ26都府県に女性問題を専門に取り扱う課,いわゆる専管課が設置されており,女性政策推進に向けて充実した環境整備が図られてきています。 私は,これまで政令指定都市の中で本市のみが持っていない女性単独課設置の必要性を再三訴えてきたところですが,本市としては,女性総合センター開館のときに合わせて作れるよう検討していくとの御答弁が続いてきました。高齢社会,少子社会,教育問題などますます加速化する社会の変化の中で,第2次女性行動計画事業を着実に推進し,女性の持つ知性と感性とパワーを社会に反映させていくためにも,女性課の設置と専門職員の充実など組織,体制強化の必要性に迫られています。第2次女性行動計画策定の折,組織改革の時期を逸した本市としては,今回女性総合センター完成という名実ともに意義あるこの節目こそ逃してはならないラストチャンスであろうと考えます。女性専管課の新設について,市長の明快な御答弁をお願いいたします。 また21世紀を担う青少年対策として,本年6月に出された青少年育成計画は,健全な若者が集う魅力ある京のまちづくりを進めるうえにも,女性行動計画と連動する重要な課題です。この計画を政策化し,事業の推進を図るためにも,青少年担当課の設置も併せて急務であることは申すまでもありません。 ちなみに本市以外の政令指定都市10市に既に青少年課又は青少年室が設置されており,広島市は青少年児童課として機能しています。本市は,縦割り行政の中で青少年施策の窓口が分散していますが,この際,関係部局の調整も含め青少年専属の課又は室を新設し,体制の強化が図られるべきであると考えます。この点についても併せて御所見をお伺いいたします。 更に女性史編纂事業について提案し要望いたします。平安時代から紫式部や清少納言など多くの女性が活躍した京都は,現在に至る歴史の過程でその発展に女性たちが果たしてきた意義と役割は大きなものがあります。そこで女性総合センターの完成と建都1200年,その歴史上の大きな節目に当たって,京都市女性史の編纂事業を検討してはいかがでしょうか。中世から近代へ,激動の時代を生き抜いてきた京おんなのたくましいエネルギーや心の機微,更に伝統を引き継ぎ新しい息吹を郷土に吹き込んできた見事な感性,その歴史を今改めて問い直し,正しく認識していくことが大切だと思います。その中で問題提起を図り,女性問題の解決,男女共生社会づくりに役立つ意義は大きいと思います。 女性史については,例えば川崎市が昭和61年に多摩の流れに時を紡ぐと題して発行され,昨年は江戸時代から現代までの福岡女性史,光をかざす女たちが発刊されました。京都府女性課では,郡部を中心の聞取り調査による京の女性史編纂に平成3年度から着手され,来年度には刊行予定と聞いております。本市は,京の都ならではの独自の切口による味わいある京おんなの歴史をつむぐのに豊かな素材と背景に満ちていると思います。史実に現れない先人の歩みにも命を吹き込み,いつまでも市民のエネルギーに反映させていく血の通った女性史の編纂は,次代への伝承とともに,今後の女性施策発展に価値的な文化財産になると考えます。是非とも前向きに検討していただきますよう要望しておきます。 次に海外事務所の設置についてお伺いいたします。本年3月,21世紀に向かって平和と人間主義の時代を創出するためのまちづくりの総合的指針,新京都市基本計画が策定されました。本市の都市理念である世界文化自由都市,そのまちづくりの基本方針の一つにグローバルな視野での都市づくりが掲げられています。ますます国際化が進む今日,国際交流は国と国との外交儀礼にとどまらず,都市と都市とが相互依存の中で担うべき課題とされており,その内容も文化,芸術,スポーツ,経済など幅広い分野への広がりを見せています。更に国際文化観光都市,コンベンション都市,学術研究都市として長期展望に立った取組を目指している本市は,世界の中の京都としての役割を更に認識して,国際的な角度で情報を発信し,そして受信する力量を高め,名実ともに文化首都の中核となることが課題となってきています。 来年の9月には,24時間運用空港である関西国際空港が開港の予定です。いよいよ近畿圏から海外への情報発信が可能となりますが,今こそ京都の文化,芸術,観光,産業などの情報を幅広く紹介し,京都情報の海外への発信を積極的に行っていくチャンスであると考えます。更に海外からの各種情報を的確に迅速に収集して,京都の産業の活性化や文化の興隆に反映させるなど国際化施策の価値的利用を図るべきではないでしょうか。そのためにも,この機会を生かして海外に活動拠点を持つことが必要であると思います。御承知のように,京阪神では京都府はもとより大阪府,兵庫県,大阪市,神戸市がヨーロッパ,アメリカなどに数か所の海外事務所を設け,文化や経済面での活動が行われています。京都市としての情報受発信拠点海外事務所の設置について,市長はどのようにお考えでございましょうか。御見解をお伺いいたします。 続いて判こ行政の見直しについてお尋ねいたします。本市では,事務処理の効率化を目指して平成6年4月から行政文書規格のA4版化実施が発表されています。それと同時に,市民の押印欄等の廃止の検討を行われるとのことですが,今日的時代から見て,早く大胆に改革しようとの姿勢が必要であると思います。 ここで押印の意義と法的効力等の立場から,民事訴訟法326条によって問い直してみますと,押印とは書類作成者自らの意思であることを証するため又は作成者の責任を明らかにするために,作成者又は責任者の印を用いる行為をいうとあり,更に署名とは自分の作成した書類等にその責任を明らかにするため自分の氏名を自ら書き記すことをいい,押印された文書と同一の法律効果,私文書の真正の推定を有するとあります。要するに押印と署名とは書類作成上,法的に同一の効果を有するものであるとされているのです。 現在,押印が社会的慣習として定着していることだけの理由で,市民に画一的に申請書の押印を求めることは不自然であり,道理に合わないことになります。またカードの普及などによって判この持つ重要性が薄れつつあること,更に国際化の著しい進展などにより一定の基準を設けて押印の廃止を図ることが時代の要請になってきています。また印鑑を忘れて市民が出直してくる負担や事務処理の停滞なども当然起こってきているのが現状です。 そこでお伺いいたします。まず市民の申請書への押印など,現状の判こ行政の在り方についてどのようにお考えでしょうか。また,これまでに押印を廃止された具体例,なお押印を必要としない申請書は,例えばどういうものがあるのでしょうか。更に今後押印の廃止に向けてどのような取組を行っていかれるおつもりでしょうか。 現在法制社会の中で,廃止できないものは当然あるでしょうし,全庁的な足並みをそろえる必要もあると思いますが,なるべく早くできる所から実施し,手続の簡素化で市民サービスの向上と事務の簡素化が進められますよう要望しておきます。 次に高齢者社会の進行の中で,更に増える傾向にある骨粗鬆症対策についてお伺いいたします。重なりますが,女性には大変大事な施策ですのでお聞きください。 お年寄りが寝たきりになる原因の第1位は脳血管障害で,第2位は大腿骨頸部骨折であり,その骨折の多くは骨のカルシウムが抜け出て異常にもろくなる骨粗鬆症が原因とされています。更にこの病気は,お年寄りだけでなく更年期を迎える50歳前後から既に始まっており,患者は女性に多く,全国で500万人以上と推定されています。これまで骨粗鬆症は,骨折や腰背部痛などが出て初めて診断される場合がほとんどでしたが,それは正確に骨の密度を測る方法がなかったからです。しかし最近,測定技術の進歩により骨の密度を高い精度で測る骨密度測定器の導入が図られ,病気の実態を早期に知り予防措置がとれることになりました。測定器は,エックス線を使ったアメリカ製の最新鋭機が一つあり,5分ほど足を入れるだけで骨密度の測定ができるということで,昨年10月から計4台を各保健所に巡回させている大阪府下でも広報の予告に主婦が殺到するなど市民の関心の高さと期待をうかがわせていると聞いております。 健康を尺度とした本市の健康都市構想の中で,その主役である市民の寝たきりをなくし健康を守るための一環として,本市においても骨密度測定器を直ちに導入し,骨粗鬆症の早期発見と予防を推進していくことが大変必要であると考えます。例えば,まず市立病院や健康増進センターへの設置,そして市民検診車の巡回など順次体制の拡充を図りながら,更に将来的には成人病検診の検査項目にも入れていただきたいと考えますがいかがでしょうか。今後の取組についての御見解をお伺いいたします。 次にエイズ教育についてお尋ねいたします。人類始まって以来,初めて遭遇する最大の敵エイズの猛威は,既に世界を覆い,本年6月のWHOの報告によれば,世界のエイズ患者は184箇国,約72万人に達しており,報告されない感染者を含めると1400万人を超えたと見られています。我が国においては,今年8月末現在で1301人と,日本で初めて感染者が報告されて以来この8年間で217倍に及ぶ急激な増加傾向にあり,更に厚生省のエイズ・サーベイランス委員会によりますと,実際の患者数は報告書の8.7倍と推定され,4年後の97年には2万6000人に上ると予測しています。また最近の傾向として,異性間の性的接触による感染が増えており,20歳代を中心とした若い世代にも感染が広がりつつあるとの警告がある中で,日本のエイズが諸外国のような爆発的拡大を迎えるかどうかは,この二,三年の対策が勝負を決すると専門家の多くが指摘し,教育,検査体制の充実など多角的な対応が不可欠となっております。健康都市京都を目指す本市においては,特にあらゆる角度から本腰を入れた予防対策に取り組むとともに,次代を担う子供たちにも心身ともに健全な生涯を送るための力を身に付けさせていくことの大切さは言うまでもありません。 我が公明党京都府本部が先ほど実施した京都府民のエイズに関する意識調査の結果では,エイズ教育の必要性については97.6パーセントの人が必要性を認め,更にエイズ教育の時期については62.7パーセントの人が小学生からと答えており,小学生から発達段階に応じたエイズ教育を求める意識が高いことを示しています。これらを踏まえ我が党では,教育を受ける早い段階で正しい知識や理解を深めることの必要性をこれまで広く訴えてきたところです。文部省では,昨年度エイズに関する指導のための中央研修会を実施するとともに,高校生用のエイズ教材の作成,更に本年度は中学生用教材の配付などエイズ教育の充実が図られてはいますが,より一層のきめ細かな工夫や取組が必要であろうと思います。 そこで教育長にお伺いいたします。緊急な課題であるエイズ対策の教育的な対応について,本市におけるこれまでの取組状況と本市独自の今後の方針や計画について御所見をお願いいたします。更に12月1日,世界的なレベルでその意義と対策が問い直される世界エイズデーへの本市の取組方についても併せてお聞かせください。 最後に新庁舎建設についてお尋ねいたします。現在本市では,平成6年の新庁舎建設構想策定に向けて庁内を中心に検討が進められていますが,その候補地として現在地が最もふさわしいとされています。スタッフの専門家としての結論にはそれなりの理由があることはよく理解できますが,私個人としては割り切れなさも残っています。地方分権への声が一層高まる中で,国際都市京都のシンボルとして,未来への広域性,そしてゆとりある空間など新たな都心づくりへの希望とロマンを掛けるにふさわしい場所であろうかという思いです。 とにかく最終決定までには,市民参加とその盛り上がりの中で論議が繰り返されると思いますが,ここで我が党が先日調査してきた新庁舎から少し述べておきたいと思います。 平成2年,すべての建設工程を終えた福岡市新庁舎の基本理念には,白砂青松,質実剛健を掲げ,実質的都市機能を重視しています。更に本年10月に完成した沖縄県庁では,人との共生,自然との共生,文化との共生という共生の思想をテーマとした設計者のメッセージがすべてに息づいている建物です。それら庁舎の建設に向けての共通の検討課題として,一つは,庁外にも学識経験者などによる委員会を設置して参考にしていること。また将来の行政需要の伸びを予測したスペースを考慮していること。更に市民ロビー,前面広場など市民のためのオープンスペースを十分とっていることなどが主なポイントと言えると思います。 そこで本市新庁舎建設に向けて当面の課題についてお伺いいたします。1,世界文化自由都市京都としての理念の下で,建設の最もポイントとなる設計の基本テーマはどのようにお考えになっているのでしょうか。2,議会にも特別委員会を発足させるとともに,更に著名な建築家,都市プランナー,学識経験者などによる専門委員会を設けていくべきではないかと考えますがいかがでしょうか。3,財政問題,そして高さをはじめオープンスペース,市民ホールの在り方などが特に建設に向けての課題であろうと考えますが,基本構想の発表はどの程度の内容で,またいつごろをめどとして発表されるのでしょうか,具体的なスケジュールも含めて市長の御所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。長時間の御清聴大変ありがとうございました。(拍手) ○副議長(可児達志君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) 小林澄江議員の質問に対してお答えいたします。 まず景気対策についてでありますが,御指摘のとおり我が国経済は低迷が続いておりまして,本市の中小企業者にとりましては,ここ1年が最も深刻な状況にあると考えております。このような判断の下に11月1日から制度融資の利率を引き下げるとともに,期間延長や返済猶予などの特別措置を実施いたしておるところであります。これらの制度の運用につきましては,金融経費の軽減につながるよう,昨年9月に設置いたしました経営相談特別窓口で個々の相談に応じております。現在中小企業者から寄せられております相談件数が急増いたしておりますので,中小企業指導所では緊急の執行体制を組み対応いたしておるところでございます。今後,経済局の各課,事業所におきましても適切な相談指導が行えるよう総力を挙げて取り組んでまいります。 次に中小企業者へのリストラ支援でありますが,企業の新分野への進出や業種の転換には慎重な事業,資金計画が必要でありますので,中小企業指導所におきましては経営診断指導を行い,その結果に基づき事業転換多角化資金制度により低利に融資斡旋を行っておるところであります。この度国におきましてリストラ支援法が制定されましたが,本市といたしましては,中小企業者を支援していく立場からこの制度の活用について検討してまいりたいと考えております。 商品切手発行税についてお答えいたします。商品切手発行税につきましては,プリペイドカードの普及やサービスの商品化の進行など社会経済情勢の変化に伴いまして様々な問題が指摘されており,国の通達におきましても適時適切な見直しを行うこととされております。このような状況の下にありまして,平成5年度において多くの課税団体が廃止に踏み切り,また存続している団体におきましても,その多くが廃止の方向を明瞭にいたしております。本市におきましても,現在の厳しい財政状況の下で貴重な財源ではありますが,商業活動の発展による本市経済の活性化を図るために平成6年度から廃止する方向で検討を進めてまいりたいと考えております。なお商品切手発行税の廃止により軽減される税負担分の還元問題につきましては,現在発行者においてもその意向を示されておりますので協議を進めており,誠意ある回答を得たいと考えております。 女性行政を推進する単独課の新設につきましては,第2次女性行動計画の中で推進体制の確立をうたっておりまして,より充実した女性行政の推進を図るべきであると考えております。とりわけ来年4月の女性総合センターの開館は,行動計画の全庁的な推進に向けまして総合調整機能の充実強化のための単独課設置を検討すべき大きな契機であると考えております。 青少年育成に関しましては,本年6月に策定いたしました京都市青少年育成計画に基づきまして,青少年が健康で心豊かに,また精神的にたくましく自己成長することへの支援といたしまして計画の積極的な展開を図ってまいります。計画の推進に当たりましては,青少年行政担当課が執行,調整能力を十分に発揮することが重要であると考えております。青少年行政を推進する単独課の設置につきましては,青少年と直接触れ合い援助を提供する青少年施設の一元的な運営なども併せて検討を行ってまいりたいと考えております。 海外事務所の設置についてでありますが,御指摘のように関西新空港の開港などによりまして急速な国際化の進展が予測されます。そこで本市におきましては,新京都市基本計画で経済から文化,観光まで幅広い情報収集,発信機能,交流機能を有した海外活動拠点の整備を主要な施策として位置付けております。今後,他都市の例も参考にしながら具体化に向けまして種々の検討を加えてまいりたいと考えております。 骨粗鬆症対策につきましてお答えいたします。寝たきりの一因となる骨折の多くが骨粗鬆症によるものと考えられることから,その予防が極めて重要であると考えております。御指摘の市立病院への骨密度測定器の設置につきましては今年度購入いたします。また今年度開設いたしました健康増進センターに設置しております骨密度測定器を活用して,栄養及び運動指導を採り入れた健康づくりに努めてまいります。なお骨粗鬆症の早期発見と予防を図るために,現在老人保健事業の健康教育の中で骨粗鬆症に関する正しい知識の普及などの保健指導を実施しているところでありますが,更に国におきましても骨粗鬆症検診のモデル実施が検討されておりまして,本市におきましても御指摘を踏まえ検討してまいります。 新庁舎建設の基本テーマに関するお尋ねについてでございますが,基本理念といたしましては,単なる庁舎ということだけではなくて,市の行政のセンター的機能を有する施設としまして,また広く市民に開かれた交流の場として,行政,文化,市民交流など諸活動の中心となる都市のシンボル的施設の整備を目指してまいりたいと考えております。より具体的な庁舎像につきましては,世界文化自由都市宣言や京都市健康都市構想など市の基本的な理念にも視点を据えながら,今後も様々な御意見を集約いたしまして,御指摘の市民交流機能の在り方などの課題とも併せ平成6年には新庁舎建設構想として確定できますよう更に具体的な取組を進めてまいります。 次に議会における特別委員会の設置についてでございますが,新庁舎建設に当たりましては,まず市民の代表である議会の皆様方の御意見を十分お聞かせ願う必要があると考えておるところであり,今後計画がより具体化いたします中で,どのような場で御審議を願うかの問題も含め十分御相談させていただきたいと考えております。また専門家の御意見などにつきましても,今後様々な機会をとらえ伺ってまいりますとともに,設計コンペなどの段階におきましては,独立した審査組織を設置しまして専門的な観点からの検討をお願いしたいと考えておるところでございます。 以下,局長から答弁させていただきます。 ○副議長(可児達志君) 小濱企画調整局長。 〔小濱企画調整局長登壇〕 ◎企画調整局長(小濱本一君) 市民の申請書の押印の廃止に関する御質問についてお答えします。市民へのサービスをより一層向上させるためには,市民の立場に立ちまして文書や書類の簡素化をすることはもとより,事務手続の合理化を図ることが必要だと考えております。市民が市役所に対しまして提出する申請書等への押印につきましても,可能なものについては廃止すべきであると考えております。このため,これまでから戸籍謄本,住民票の写し等の交付申請書や公文書公開条例に基づきます申請書等におきましては申請者の押印を求めない取扱いといたしてまいりました。また現在,御指摘がございましたように文書のサイズをA4版化にしていく取組をしておりますが,その一環といたしまして,各局で帳票の様式等の見直し作業を行っておりますけれども,この中で押印欄についても検討を行いまして,当面廃止可能なものから実施していきたいと考えております。更により一層市民サービスの向上を図るため,今後全庁的な事務改善に取り組む必要があると考えておりまして,御指摘の申請書等への押印につきましても,他都市における実施状況も参考としつつ,更に法的な問題をはじめ押印に代わる確認の方法について検討を行うなど抜本的な見直しを行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(可児達志君) 桝本教育長。 〔桝本教育長登壇〕 ◎教育長(桝本頼兼君) エイズ教育についてでございますが,これまでからエイズ指導の手引や性教育指導資料を活用し,各種研修会を系統的に実施するとともに,各学校におきまして児童,生徒の発達段階に応じた指導に取り組んでおります。更に本年度,正しい知識,感染の予防,感染者の人権尊重を基本に,新しいエイズ指導資料の作成や指定都市で初めての教員用指導ビデオの制作を進めております。また世界エイズデーに全国規模で開催されるシンポジウム等に積極的に参加し,その成果を教員に広めるなど,今後ともエイズ教育の充実に努めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(可児達志君) 次に市政一般について,桑原茂樹君に発言を許します。桑原君。 〔桑原茂樹議員登壇(拍手)〕 ◆(桑原茂樹君) 私は,日本社会党京都市会議員団を代表して,市政一般について質問いたします。私の質問の順位が8番目ですので,既に同様の質問があったこととは存じますが,市長並びに関係理事者の親切丁寧な答弁をまずもってお願いいたします。 今市会に報告されている1992年度,平成4年度の一般会計決算状況を見ますと,実質収支は黒字となっていますが今後の財政状況については非常に厳しいものを感じます。まず市税収入では,負担調整によって毎年制度的に上昇するものである固定資産税や都市計画税が伸びを示しました。しかし個人市民税や法人市民税が大きく落ち込む中で,市税収入全体では0.3パーセントの伸びしか示さず,辛うじて前年度の収入を確保したにとどまっております。そして深刻な不況からの脱出など,経済状況の急速な好転が見込まれない状況の下では,市税収入の伸びは期待できないどころか,逆に落ち込んでいくことが危ぶまれます。 〔可児副議長退席,川中議長着席〕 ◆(桑原茂樹君) (続)また国では消費の拡大による景気回復など経済効果を狙っての5兆円の大幅な減税について検討されており,私は大歓迎しているところでございます。しかし首相の諮問機関でございます政府税制調査会では,5兆円減税は所得税で3兆5000億円,住民税で1兆5000億円としており,このことは一方で地方税の減収につながるものではないかと心配しております。この減税については景気浮上を狙っての政策的なものであり,私は評価するものでありますが,一方で本市の今後の市民税収入の減少など更なる市税収入の落ち込みが予想されます。以上のように市税収入については今後ますます厳しい状況を迎えます。 次に財政調整基金ですが,本決算年度では75億円を取り崩し,基金残高は108億円となり,また本予算年度では50億円の取崩しがなされるため,本予算年度末では基金残高も60億円程度となり,今後の取崩しについても限界に来ております。本決算では自主財源の構成比が落ち込む一方で,地方交付税など依存財源や市債の構成比が伸びております。今後の市税収入の減収や財政調整基金の取崩しが限界に来ていることなどから,更に自主財源の幅を狭めることになってくるものだと思います。自主財源は行政活動の自主性と安定性を確保し得るかどうかの尺度となるものであり,自主財源の減少傾向にある本市については,今後の市政運営の自主性と安定性に問題を投げ掛けるものでございます。このように今後の本市財政は,歳入面において更に厳しさが増してくるものだと思います。 こうした中で,本年3月に新京都市基本計画が策定され,また主要な施策,事業としてのいわゆる箱書施策104項目に,更に新市庁舎の建設を加えた105項目を対象事業とした年次計画書が本年9月に発表されました。この新京都市基本計画は,言うまでもなく20世紀のまちづくりの総仕上げ,また21世紀における新しい挑戦のための基礎づくりとなる施策や事業などの市政運営の総合的な指針となる計画でございます。またその推進に当たっては田邊市長を先頭に庁内一丸となって執行体制を更に強化し取り組むべきものと考えます。もちろん私たち日本社会党京都市会議員団は,計画推進に当たって市長与党の一員として積極的に協力していくことをこの場において表明いたします。 この新京都市基本計画の推進については,西暦2000年度,平成12年度までを計画期間とし,それらの事業の推進に要する費用については,概算ではありますが一般会計ベースで1兆7000億円とされています。またその財源確保については,1993年度,平成5年度から西暦2000年度,平成12年度までの計画期間中に一般会計予算で年5パーセントの伸びを見込み,更に消費的経費の伸びを抑制し,そして投資的経費を25パーセントまで高めることで1兆5000億円を見込んでいます。更に2000億円の不足額については行財政の効率化で捻出することとされています。今後,市の総力を挙げて新京都市基本計画を推進していかなければなりませんが,計画期間を見越したうえでの財政状況の見通しと,更に計画期間での遅滞のない事業の推進に向けた市長の決意をお聞かせください。 次に市税の徴収体制の強化について質問いたします。今後,新京都市基本計画の事業推進などに多額の経費を必要とするとき,限られた収入源の下で少しでも収入を増やさなければなりません。しかし本決算での歳入未済額は179億3462万円であり,その88.8パーセントに当たる159億1816万円が市税の収入未済額,いわゆる市税の滞納となっています。バブル経済崩壊後の厳しい経済状況の下で,確かに市税の徴収については年を追って厳しさを増しております。その中でも区役所や支所の納税課では,例年では11月から12月に掛けて滞納整理強化月間としているわけでございますが,本年では9月から10月に掛けても滞納整理強化月間として徴収強化に向けて努力しておられます。私は市税の徴収については,もちろんのこと個人の生存権を脅かしてまでも,何が何でも取り切るものとは思いません。しかし一方で税の負担能力がありながら平気で滞納するような,いわゆる払わぬ得といったことのないよう市税の徴収については公正かつ公平にすべきものであると思います。 そこで本市のここ数年の市税の徴収率は,毎年下がる一方で本決算では94.0パーセントとなっております。各都市間において産業構造の違いなど多少の経済状況の格差はあるにしても,ちなみに政令指定都市の中では名古屋が98.3パーセントと一番高い徴収率を誇り,本市は本年度も一番低い徴収率を記録いたしました。また本決算での滞納状況でございますが,滞納者数は9万1128名で,滞納額は159億1816万円でございます。これは前年度に比べ,滞納者数で1万203名,滞納額で36億7876万円増加したことになるわけです。更に200万円以上の高額滞納者につきましては983名,滞納額72億4089万円で,前年度と比べ高額滞納者で250名,滞納額で21億7972億円増加しています。今,滞納者のうち約1パーセントの高額滞納者が全滞納額の45パーセントを占めているのが現状であり,高額滞納者の滞納整理が重要課題であると思います。 本市では本年3月16日に6年ぶりに差押え不動産の公売を実施いたしましたが入札には至らず,更に5月14日に同一物件の再度の公売を実施いたしましたが,これも入札には至りませんでした。しかしこの不動産公売に踏み切ったことで大きな波及効果がございました。当初は高額滞納者のうち11名に対し公売予告を行ったところ,9名が何らかの形で納税に応じ始めたわけでございます。そして結局2名だけが公売に掛かったものでございます。更に公売広告や公売広報,そして新聞報道等によって他の滞納者へも納税に応じるような波及効果をもたらしました。中には滞納者のうち市税についての督促や催告などを無視し続ける人もいるそうですが,いわゆる払わぬ得のないよう,市税の徴収に当たっては公正,公平を原則として行うべきであり,また悪質な滞納者に対する滞納整理に当たっては,差押え,更に公売等については今後も実施していくことを要望いたします。 しかし,これらの事務についてはかなりの調査や手続を必要とすると聞いておりますが,すべての区役所,支所の納税課でこういった徴収体制の確立が必要であると考えます。1992年度,平成4年度に区役所や支所の納税課は一定の体制改善が図られましたが,こういった財政状況の下でこそ徴収率を向上させ,市税収入の確保のため区役所や支所の納税課の体制強化を更に目指すべきと考えますがいかがでしょうか,助役にお尋ねいたします。 次に地元伏見区の都市基盤整備,都市計画施設における固定資産税の課税の在り方,建築制限の緩和などについて質問いたします。御承知のように伏見区は人口28万人を抱える市内最大の行政区であり,京都市の人口は145万人でございますので,変な計算にはなるわけでございますが,京都市民のうち5人に1人は伏見区民とも言えるわけでございます。このように伏見区民の人口比率は非常に高いのでございますが,都市基盤整備については残念ながらそれに比例したものとはなっておりません。また伏見区は,東は桃山丘陵を隔てた醍醐地域,西は桂川を隔てた久我,羽束師,淀地域,南は宇治川を隔てた向島地域,北は深草,竹田地域とあり,行政機関も1区役所,2支所,2出張所があることでも分かりますように非常に広い地域であるわけでございます。御承知のとおり伏見地域では,何といっても生活するうえで交通の便が一番のネックとなっております。向島地域や久我,羽束師,淀地域は宇治川や桂川を隔てており,観月橋,久我橋,羽束師橋仮橋,宮前橋と特に朝夕のラッシュは目をみはるものがあるわけでございます。例えば我が党の安井勉議員は桂川を隔てた淀地域に住んでおられますが,市役所への通勤には下手をすると2時間近く掛かると嘆いておられました。いずれにいたしましても,伏見地域を住みよいまちにするためには公共交通や道路及び橋梁など都市基盤整備を急がなければなりません。 まず公共交通についてであります。醍醐地域の住民の悲願であります地下鉄東西線の完成時期が2年遅れて1996年末,平成8年末と変更になりましたが,もうこれ以上の遅れのないよう強く要望いたします。 次に新京都市基本計画では,都市高速鉄道の整備の項目で地下鉄東西線の六地蔵までの延長は事業化推進の対象となり,また地下鉄烏丸線の竹田から洛南新都市方面間は計画推進の対象となっています。これらの事業着手並びに完成時期などの見通しについて交通局長にお尋ねいたします。 更に新京都市基本計画では,既設鉄道の輸送力増強の項目でJR奈良線の稲荷から桃山間の新駅設置が挙げられております。この新駅設置については,当初の計画では1993年度,平成5年度の完成が予定されておりました。しかしこの事業の遅れについて,本年3月1日の予算特別委員会の場で私の質問に答えて,完成は1994年度,平成6年度にずれ込まざるを得ないという答弁があり,また本年5月24日の建設委員会で私の質問に対し,二三か月後をめどに工事に掛かりたいという答弁がありましたが,残念ながらいまだに地権者との協議が調っていないことから工事は行われておりません。工事期間は着工から18箇月掛かることからして,1年遅れに変更された計画期間でもその完成は危ぶまれますが,今後の地権者との協議や工事着手,更に完成に向けた見通しについて都市計画局長,お答えください。 次に伏見地域の道路交通網の問題に移ります。まず上板橋通についてですが,上板橋通は,醍醐や小栗栖から旧伏見に抜ける道路であります。上板橋通は本年1月に藤城小学校から東側については整備されましたが,藤城小学校から西側については幅員も狭く,朝夕のラッシュには車の離合も困難な道路であります。また本年8月に北堀体育館や北堀公園の一部がオープンし,上板橋通についてはそれらの施設への重要なアクセス道路でもあり整備を急がなければならない所であります。上板橋通拡幅については,南側の農林試験場の用地の確保が必要であり,その取得方法については当初の土地交換方式から買収方式に切り替わりました。そして本年度は測量のための予算800万円が計上されたところでございますが,今後の見通しについて建設局長にお尋ねいたします。 次に都市計画道路の問題に移ります。現在,本市の都市計画道路は236路線,その進捗率は61.9パーセントであります。一方で伏見区内だけを見れば,都市計画道路は44路線,その進捗率は46.5パーセントであります。全市の進捗率に対し,伏見区内の進捗率は極めて低い数字となっています。このことからも伏見地域の道路,橋梁をはじめとする都市基盤整備の後れが分かります。現時点において事業化が困難な都市計画路線もたくさんあるわけでございますが,今伏見地域で事業着手している路線は,小枝橋の羽束師墨染線,羽束師橋架替工事中の外環状線,通称大岩街道の深草大津線など10路線があります。これらの路線の進捗については,用地確保の段階や工事着手の段階など様々ではございますが,執行体制を一層強化して,これらの事業の進捗を強く要望いたします。 同じく都市計画道路の予定地における建築制限などについて質問いたします。都市計画道路など都市計画決定された予定地では建築物の制限が行われます。これは都市計画法第3条の2項により,都市の住民は国や地方公共団体の行う措置への協力義務が規定されています。また判例では,この建築制限については公共の福祉のための受忍すべき社会的拘束に基づくものとされています。例えば都市計画路線である伏見大手筋通は,古い話でございますが1934年,昭和9年3月22日に都市計画決定され,その後1968年,昭和43年に道路の幅員について都市計画変更されましたが,いまだに事業化されておりません。しかも大手筋通の北側の並びにつきましては都市計画道路区域にほとんど入っておらず,南側の並びだけが都市計画道路区域に入っているため,大手筋通の南側だけが建築制限を受けているのでございます。 大手筋通は伏見区内でも有数の商店街であり,所有者としては限られた自己の土地の有効利用を望むのは当然のことだと思います。大手筋通は,都市計画決定や変更から相当年数が経過していますが事業化されず,事業化のめども立たないまま,長年にわたり大手筋通の南側だけが建築制限を受け続けていることは,果たして公共の福祉のための受忍の範囲にとどまるものでございましょうか。 私は,必要があって都市計画決定を行った以上,早期に事業着手すべきだと思います。そしてまたいったん都市計画決定を行えば,決して簡単に変更すべきでなく,事業者はその事業化に向け万全の努力を傾注すべきと思います。しかし昨今の土地取得の困難さなどもあり,現実に事業化が難しく,まためどさえ立たず建築制限だけが続いている路線も伏見区内にはかなり見受けられます。例えば戦後に改めて決定されたとはいえ,戦前からの都市計画路線や事実上事業着手の見通しの立たないような路線については,都市計画の見直しについて検討されてはいかがですか。都市計画局長にお尋ねいたします。 また本市においては1972年,昭和47年以降,都市計画法第53条に準じて,長期にわたって未着手の都市計画路線のうち商業地区,近隣商業地区において一定の建築制限の緩和が行われてまいりました。今新たに都市計画局,住宅局,建設局の3局によって建築制限の緩和について検討されておりますが,当初は昨年度中に結論を出すとのことでございましたが,いまだに結論は出されておりません。最近は古い住居の建て替えで,建ぺい率の関係で3階建てが増えている状況の下で,この建築制限の緩和について,他の用途地区への拡大を望む声も増えております。あくまで相当の間の当該路線の未着手を大前提としながらも,他の用途地域への拡大,更には商業地域や近隣商業地域での建築物の階層など新たな制限緩和について都市計画局長の見解をお尋ねいたします。 次に都市計画道路など都市計画施設の予定地における土地の固定資産の評価について質問いたします。今述べてまいりましたように,都市計画施設の予定地では建築制限があり,自己の所有する土地であっても自由に建築物を建てることができず,土地利用が制限されています。これらの土地利用の制限は,当然土地の価格に影響を与えるものであり,土地の価格に影響があればもちろんのこと固定資産税の評価額についても反映しなければなりません。本市におきましては,土地の利用が制限されている例えば高圧送電線の下の土地の固定資産の評価には一定の減点補正を行っております。また1975年,昭和50年の自治省通達では,都市計画施設の予定地については,著しい影響が認められるときに限り3割を限度とする補正率を適用しても差し支えないとしています。また他の政令指定都市では仙台市が検討中であり,その他の都市はすべて減点補正を適用しているのが現状でございます。本市においては,事業化されていない都市計画路線の一筆ごとの地積を把握できる精密な図面がないことや,また区役所や支所の固定資産税課でこれらを正確に把握するには膨大な事務であり,体制上の問題はありますが,都市計画施設予定地の土地評価の減点補正について検討を始めるべきと思いますが,理財局長の御見解をお伺いいたします。 次に新しい市庁舎の建設について質問いたします。私は,本市の職員時代や議員として行政視察などで東京新都庁,更に政令指定都市の庁舎を訪問したことがございます。その度に他都市の庁舎が立派に見えました。他都市の庁舎を細部にわたって見たわけではありませんので,外観と正面玄関を見て感じたものにすぎないわけでございますが,本市の庁舎は1927年,昭和2年,本庁舎東側,そして4年後に本庁舎西側が建てられ,築後60年を経過しております。大阪市や神戸市,福岡市などの新庁舎と比べたら外観の古さは当然かもしれません。また本市庁舎は,正面玄関を入ればすぐに階段と廊下でありますが,大阪や神戸の玄関には市民ロビーなどのゆとりの空間がありくつろいだ雰囲気を感じます。本年5月25日に市庁舎整備検討委員会から検討結果の報告がありましたが,その報告書の中の他都市との面積比較を見ましても,職員1人当たりの事務室面積や同じく会議室面積は指定都市の中で一番狭く,私が外観や正面玄関だけを見て感じただけではなく,実際に極めて狭い庁舎であったことが数字のうえでも現れています。検討結果の報告に書かれていますように,現在の市庁舎では解決できない問題が多々ございます。 ここで新庁舎を建設するに当たって,検討委員会では五つの候補地から様々な条件設定の下,現庁舎及び妙満寺跡の敷地の建設適性が最も高いと評価を出しています。そして新庁舎の候補地として検討委員会の結論から既に半年が経過しておりますが,いまだに市長の正式な意思決定がなされておりません。建設場所についての市長の御見解をお願いいたします。併せて本市の厳しい財政状況の中で,今後の新庁舎建設に向けての事業進捗並びに完成に向けた見通しについてもお答え願います。 以上で質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) ただ今の桑原議員の質問にお答えいたします。 まず新基本計画の財政面の見通しについてでございます。本市の財政状況は,平成4年度決算に見られますとおり極めて厳しいものとなっております。特に各種事業の推進の根幹となります市税収入につきましては過去最低の伸び率となったところであり,平成5年度,更に平成6年度につきましても市税収入が前年度を下回ることが見込まれております。また今後も引き続き厳しい経済環境が予想されます中で,伸びを期待できない状況にあります。このような財政状況の下で多額の事業費が見込まれる新基本計画を推進いたしていくことになります。しかし私は,新基本計画は21世紀を展望いたしました新しいまちづくりの推進のために是非ともやり遂げなければならないものであると考えております。このため事業の実施に当たりましては,その優先順位の厳しい選択を行い,財源の一層の重点的,効率的配分に努めますとともに,徹底した行財政の効率化や財源確保のための取組を強化いたしまして,このほど策定いたしました新京都市基本計画年次計画書を踏まえ,事業の着実な進捗を図ってまいる所存であります。 新庁舎の建設候補地につきましては,市庁舎整備検討委員会から諸条件を総合的に検討いたしました結果,現庁舎及び妙満寺跡敷地が適しているとの報告を受けておるところでございます。今後市会の皆様方をはじめ市民の方々の御意見を十分お伺いする中で,建設地の最終的な決定を行ってまいりたいと考えております。また今後の事業推進につきましては,厳しい財政状況の中ではありますが,新庁舎に必要な規模,機能などを十分に考慮しながら必要な財源確保に努め,平成9年度以降早期に建設に着手できるよう努力してまいりたいと考えております。 以下,助役,局長から答弁させていただきます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 〔薦田助役登壇〕 ◎助役(薦田守弘君) 区役所,支所の納税課の体制についてでございます。御指摘のとおり平成4年4月に区役所,支所の納税課の組織の改正を行い,八つの区に収納担当の係長を新しく配置し,更に係間の事務分担を変更する措置を講じました。現在納税環境は大変厳しい状況にありますが,今後とも徴収率の向上,市税収入の確保を図るため,不動産を含めた差押えや公売を進める中で滞納処分に強い姿勢で臨みますとともに,徴収体制の強化に向けても取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 中谷理財局長。 〔中谷理財局長登壇〕 ◎理財局長(中谷佑一君) 固定資産税の土地の評価についてでございますが,まず建築規制の適用を受ける地域の土地の評価につきましては,原則としてその価格事情を反映した路線価に基づいて行っております。 次に都市計画施設予定地につきましては,その価格事情を路線価に反映することが困難な場合,市町村が独自に所要の補正を行うことができるとされております。御指摘のように本市においては都市計画施設予定地についての詳細な図面がないなどの事情から特別な補正を行っておりませんが,実施している都市もありますので,今後その評価の在り方について検討,研究を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 竹澤都市計画局長。 〔竹澤都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(竹澤忠義君) JR奈良線稲荷桃山間の新駅につきましては,平成元年5月に地元の皆様からの市会請願が採択されたのを受けて,平成4年3月に西日本旅客鉄道株式会社と工事協定を締結し,関係する住民の方々に計画内容を説明し,既に一部事業用地の買収も終えております。しかしながら事業着手に必要不可欠な用地を所有されている地権者お1人の理解と協力が得られていないために,現場での工事着手には至っておりません。今後の見通しにつきましては,新駅計画地が堀割区間であることから,工事期間18か月の短縮は非常に困難な状況でございますが,新駅開業に対する地元の皆様の期待に一日も早くこたえられるよう,協力の得られていない地権者に対する説得になお一層努力し,皆様の理解と協力を得ながら早期着工に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。 次に都市計画道路の見直しについての御質問でございますが,御指摘のとおり都市計画決定されてなお長期間事業の見通しが立たない路線があるのは事実でございます。本市といたしましても,過去見直しについて一定の検討をいたしましたが,街路網は鉄道網と併せて都市交通体系の確立のために重要な柱でございまして,将来の本市の街区形成にとって骨格となるものでございますから,この整備促進を図ってまいるべきであると考えております。 次に都市計画道路区域内における建築制限につきましては,都市計画法第53条の規定に基づき一定の建築制限が課せられておりますが,弾力的な運用の要望が高まってきておりますことは御指摘のとおりでございます。そのため関係部局による庁内検討委員会を設置しまして,道路の整備計画や用途地域別の土地利用などを考慮した法の弾力的な運用の検討を進めており,引き続き建設省との協議を重ね,一定の方針を取りまとめていきたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 蜷川建設局長。 〔蜷川建設局長登壇〕 ◎建設局長(蜷川一朗君) 上板橋通についてお答えいたします。本路線は,醍醐や小栗栖から旧伏見に抜ける主要な道路であり,歩道の整備を進めてまいりましたが,御指摘のとおり藤城小学校から伊達街道の間につきましては道路幅員が狭いため歩道もない状況にあります。このため道路整備の実施に向けて平成5年度に予算を計上しており,近く測量設計を行ってまいります。これに基づきまして,来年度から地元説明及び関係機関との協議を行うとともに,用地を買収し,歩道を含めた道路整備を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 依田交通管理者。 〔依田公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(依田満君) 本市の高速鉄道の整備につきましては,総合的な交通体系を確立するための重要な施策でありますので,積極的に事業化を図っていくべきものと考えております。そのため,新京都市基本計画において事業化を推進すべき区間と位置付けられている東西線の六地蔵への延伸につきましては,現在建設中の醍醐二条間に引き続き事業化を図るべく調査検討を始めているところでありますが,建設費確保の問題や六地蔵周辺での地域整備の状況も見極めながら取組を進めてまいりたいと考えております。また計画を推進すべき区間と位置付けられております烏丸線の竹田駅から洛南新都市方面への延伸につきましては,関連地域の今後の整備状況を踏まえ検討してまいる課題であると考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) 次に市政一般について,西田輝雄君に発言を許します。西田君。 〔西田輝雄議員登壇(拍手)〕 ◆(西田輝雄君) 私は,同僚の桑原議員に引き続きまして,社会党の議員団として質問を継続したいと思います。 10月の中旬であります。例年そのころには加茂川の堤防の両側に二,三本だけですが,すっとぼけた桜の花が咲き出すという状態でありましたけれども,今年の場合は不思議なことに,何と3週間ほど長期にわたって30本ほどでありますけれども桜が満開になりました。もっともこの秋の桜は,すこぶる梅の花に似ておりまして,小ぶりであるし,とても桜花爛漫というわけにはまいりません。しかしかなり多くの人々の話題に上ったことだろうと思います。 モンクロシャチホコ,この幼虫が異常に発生して木の葉が食べ尽くされたがために,けなげにも生き残ろうとする桜の精気が,結果として花を咲かせることにつながったのでありますけれども,やはり桜は春に咲くことが自然でありまして,時として昨今の気象の在り方に何か得体の知れない不安を覚えます。この秋の桜を呼び起こした異常気象,何十年ぶりかの長雨と冷夏によって,久しく聞くことのなかったやみ米という言葉をも私たちに思い出させてくれました。農業と米価の安定保護のために,減反政策を推進してきた長年にわたる往時の政府担当者には,全く予想だにできなかったことであろうと思います。経済不況と景気の低迷に追い打ちを掛けるかのような米作の不振は,多くの市民にとって誠に将来への生活不安を感じさせる今日になりました。 樹立されていまだ数か月,細川連立政権でありますけれども,その間,史上初めてと言われるぐらいの高支持率70パーセントを保持しているという現象は,政治に対する不信感,特にいわゆる既成政党に対する,つまりは政,官,財癒着の構造に対する不信感が爆発して,それだけに国民の期待が過去における政策や政治,経済の構造自体に対しての変革を求める方向に集中したからだと言えましょう。 今,国会では,政治腐敗の温床や構造をなくして,国民の信頼を回復するために試行錯誤を繰り返しつつ,政治改革関連4法案をめぐって白熱した状況が展開されていますが,国民の政治に対する不信の念は,決して国に対してのみ向けられているものではないと思います。地方議会や行政に対しても,ここ数年来,議会人の調査研究費,あるいは出張費などについてマスメディアをにぎわせた不祥事件が頻発いたしました。誠に遺憾な事態であったと思います。 しかしながら,あつものに懲りてなますを吹くという言葉がありますが,議員が市政発展のための議会活動を行うに当たって,議会自身がその任務を,責務を存分に発揮しにくいような閉塞的な環境や,あるいはいじけた雰囲気を作り出してしまってはならないと思います。民主政治の基盤を形成しているのはまさに地方自治体ですから,地方行政,地方議会のその任に当たる者の重大な責務を自覚するとともに,特に私ども地方議員は,市政の主役としての市民から選ばれる立場において,その任に就き,その身を律するための努力がより強く必要とされるのは当然のことであります。また同時にこのことは,その代表を選ぶ側にある市民各位におかれましても,政治と行政を改革するための主人公として,自らの強い意思と毅然たる対応を保持し続けられることが要請されていると言えましょう。 宮城県,茨城県知事,また仙台市長などの例を挙げるまでもなく,首長をはじめ執行権を持つ行政の体制全般についても,今日まで国民の間に助長された政治や行政に対する不信感を払拭するだけの努力がなされなければなりません。 本市においては,平安建都1200年記念をいよいよ明春に迎えて,伝統と創生という21世紀への新たな歴史へ踏み出すこととなりました。世界文化自由都市宣言に基づく都市の理想像を求めて,その理想の都市と市民を具現化するための新京都市基本計画の年次計画も去る9月に策定されましたが,この建都1200年記念という重要なときに相前後して既に数多くの大型事業が着手され始めています。また国に対する本市の予算要望につきましても,歴史都市京都再生のための特別の配慮を求めるとともに,急速に進展する高齢化社会を迎えて特に福祉行政に対する援助の拡大や脆弱な国民健康保険財政の健全化のための措置が求められています。わけてもこの建都1200年記念に関連する事業については,21世紀への飛躍台と位置付けて,和風迎賓館,京都高速道路,あるいは二条駅周辺整備事業,梅小路公園の整備,高速鉄道東西線及び烏丸線の建設,世界人権問題研究センター設立など各種の事業が重点的に取り組まれることとなっています。これらの諸事業に関してお尋ねいたしたいと思います。 まず特にハードの分野については,昨日の質問でも触れられていましたけれども,既に契約済みの予算が執行されている事業において,よもやと思いますけれども,政治改革,行政改革を求める市民の期待に反するような事態は全く生じない,そのような懸念を抱かれること自身不必要だと断言できるでありましょうか。 その昔,金環蝕という小説を読んで全く驚いたことがありますが,宮城県知事の天の声の事件は,まさに事実は小説より奇なりという言葉そのものが実証されたものであると言えましょう。今,国民,市民の地の声は,まさしく政治不信から政治浄化を求めての大合唱となっていますが,行政も議会も,ともに誠心誠意その市民の地の声にこたえるべきだと思います。天の声が全くなかったとしても,談合やそれに類する行為は必要悪という肩書を付けてそこかしこに存在しているように思えてなりません。なぜなら過去幾度となく私自身,匿名の電話や手紙によって当事者でなければ知り得ないはずのそれとおぼしき事情を通報されたことを経験しているからでありますし,恐らく本議場に出席されておられます先輩,同僚議員の各位におかれても,この種の経験をお持ちになったことがあると思います。 仮に今後これらの事業について,談合など市民の不信を買うような事情の存在が明らかになったとき,どのように具体的な対応をなされるおつもりなのか,政治改革にかかわる市長の存念と決意の程をお伺いいたしたいと思います。 これらの事業は,新京都市基本計画の年次計画に組み込まれていますが,計画策定の趣旨に明記されているように,厳しい財政事情の中で執行されるわけでありますから,社会経済状況の変化に応じて柔軟に対応しなければならないのは当然のことだと理解はいたしております。しかしながら,105項目にわたる年次計画の中には,調査の対象と明記されているものだけで約70項目ありますから,もし仮にその中でできもしないことを,あたかもできるかのような幻想として市民に抱かれるようであってはなりません。たとえその実現が極めて困難なものと想定されても,理想を求め,可能な限りその実現を目指して努力するのだという具体的な熱意が感じられるなら,その障害を取り除き,人を主役とするまちづくりのため,市民各位におかれても必ずやともに尽力されるに違いありません。まさに言うは易く行うは難しでありますが,市民と行政を執行しようとする人々の知性と感性が合一するとき,その実現を果たそうとする熱情が多くの人々の中に生まれてくるのであります。 この春出版されましたお役所の掟,厚生省の検疫課長の著書でありますけれども,その中に国会答弁の適切な言葉というのが例示されていました。何となくどこかで聞いたようなおなじみの言葉でありますが,この際,その幾つかを取り上げて御紹介したいと思います。 まず前向きにという言葉でありますが,これは遠い将来には何とかなるかもしれないという,やや明るい希望を相手に持たせる言い方だそうであります。次に時間をたっぷり稼ぎたいときには十分という言葉が用いられ,努めるということは,結果的には責任をとらないことを意味しているそうであります。配慮するとは,机の上に積んでおく,検討するということは,検討するだけで実際には何もしない。見守るという言葉の意味は,人にやらせて自分は何もしないことである。中でも傑作なのは,慎重にという言葉は,実はほぼどうしようもないが,断り切れないときに使うのであって,しかし実際には何も行われないということだそうであります。ただ口先だけで,叫び上げるだけで自らの力を発揮しないということとは意味が異なっております。 もちろんこれはあくまでも霞ケ関での適切な答弁だそうでありますから,地方分権の立場からしまして,本市の理事者は参考にされてはおられないと思いますが,いわゆるお役所仕事に対する市民の感覚からすれば,笑い話では済まされません。理事者の各位におかれては,答弁に当たって,それこそ十分御留意いただきたいと存じます。 そこで改めてお尋ねいたします。これら一連の建都1200年記念事業などについて,現時点でのそれぞれの進捗状況,更にその完成の目標年次,それらを展望する中で予測される矛盾,特徴に関して,制約された時間内での質疑でありますから具体的には焦点を絞っておきたいと思います。回答に際して時間的余裕があるならば,指摘した事業以外についてのお答えも大いに歓迎いたします。 第1に,世界人権問題研究センターの設立に関してであります。今,国の内外の情勢からその役割を考えるとき,本市誕生の前提や平安京成立以後の歴史や文化を顧みても,日本はもとより世界の中の京都として世界の人権問題に関する本格的な研究センターの設立は,政党や官僚や財界の人々の思惑や利害を超えたところの,まこと時宜を得た格別に重要な課題であると言えましょう。世界人権宣言の前文に明記されているように,基本的人権の尊重と差別からの解放を目指す人権の確立は,まさに世界における自由,正義,そして平和の基礎なのであります。人権センターの設立は予定どおり進捗するのかどうか,もし遅れるとするなら,その理由は何なのか。それともやりたくてもやれないのか,やる気持ちがないのか。あるいは決断のうえやってみせるのか,市政執行の最高責任者はまさしく市長以外の誰でもありません。人を主役とした田邊市長の人間性の問われる課題ではないでしょうか。 また世界人権問題研究センターの設立に関して,この時期において一体どのような位置付けをして具体的にどのように実現されていくのか,また世界の学者の研究の場としての機能だけではなく,可能な限り日常的にこのセンターと本市に生活している京都市民が深くかかわり合えるような機会を検討すべきだと思いますが,いかがお考えかお答えいただきたいと存じます。 1978年10月,15年前になりますが,京都市は世界文化自由都市宣言を行い,その宣言の精神に基づいて2年後の11月5日,第1次の具体的な提案がなされて,その趣旨に基づいて,国際日本文化研究センター,国際交流会館,そしてコンサートホールなどが建設されてまいりました。また世界の歴史都市が一堂に会して論議を行う会議も開催され,京都,フィレンツェ,バルセロナを経て,明年4月,再びこの京都市において第4回目の世界歴史都市会議が開催されようとしています。 現代の都市において,その個性の自覚が世界の文明の要求を先取りする方向において行われるなら,その都市は世界文明の歴史の中で重要な役割を果たすに違いありません。人類は数世紀前までそれぞれ異なる文明を営み,その文明はお互いに接触することなく並存していました。しかし西欧世界の発明した科学技術文明は世界を一つにし,今や人類社会を一つにしたこの科学技術文明は大きな壁にぶつかっています。精神的価値の喪失,自然の破壊,戦争の脅威,経済的混迷など多くの解決困難な課題を抱えて,現代社会は苦悩の中に新しい方向を模索している。このような状況において,異なった過去の文明を持ち異なった社会体制を持つ国家の中に住んでいる人々が自由にその持てる伝統的文化を交流して直面する問題を語り合うことが,世界の平和を維持し将来の文明を創造するため必要欠くべからざるものである。古い東洋の文明,新しい西洋の文明を移入して成功し,まさに自由な国際交流の場となっている日本は,かかる課題を果たすに誠に適当な国家である。わけても千年の間の日本の都であり,美しい風景を多くの文化遺産とともに保存している京都こそ,かかる課題の先駆的な担い手として最もふさわしい都市であろう。 これが世界文化自由都市宣言の趣旨であり,そうした趣旨の下に今日まで開催されてきた総括と反省のうえに立って第4回目の世界歴史都市会議が開かれるわけであります。 この会議の開催に当たって,各都市の招聘のため市長,議長などが歴訪されたわけでありますが,現在の参加申込状況,また各都市からの会議に寄せられている要望や期待の内容はどのようなものであるのか,併せて今日の国際的な状況の中で,この会議そのものの果たすべき役割と京都市民の担っている役割について,市長はどのように望んでおられるのか,率直にお考えをお聞かせ願いたいと思います。高嶋さんの質問に対してもエールを送りたいと思っております。 また本市は,1957年平和都市宣言,1978年世界文化自由都市宣言,更に1983年,本議会におきまして非核,平和都市宣言が議決されています。こうした宣言の持っている意義について,市民にはもとより本市職員の各位にどの程度理解されているのか。議会の同僚諸氏におかれても同じことでありますが,本来,本市行政のすべての分野においてその宣言の精神が生かされていなければならないはずでありますが,周知への努力について今後どのようにお考えになっているのかお尋ねいたしたいと思います。 さて建都以来この京都の文化を支え続けてきたのは,言うまでもなく伝統的な産業であります。その伝統的な産業の興亡が文化の盛衰をもたらすものであり,文化の発展こそがいわゆる観光事業の振興に直接の影響を与えるものであります。もちろん現代における高度技術産業について,その位置付けは誠に重要なものであり決して軽視して考えているわけではありませんが,歴史的に,その時代における地域の人々の生活の営みが産業の発達を促進し,その地域の誇るべき文化を生み出し,そしてその文化の蓄積の厚みそのものが,実は観光という形態をもって他の都市の,他の国の人々を呼び寄せるものなのであります。当然,全国的な経済不況の影響を受けて,昨今の観光客の減少傾向を考えますと,観光関連産業はもとより文字どおり裾野の広がりの多い伝統産業の関連業種にも多大な打撃を与え,不景気の悪循環へとつながっています。京都の経済活性化への努力対象の重点として,いま一度伝統産業や芸能など,またそのうえに成り立つ広義の意味での文化,そしてその文化の蓄積による観光産業を組み込んで焦点を当て直してみるべきではないでしょうか。 世界歴史都市会議の第2回目の主催都市フィレンツェでは,まさに行政を支えるところの主要な二つの事業がありまして,その一つが観光事業であります。ヨーロッパの歴史都市の多くは,このフィレンツェ市とおおよそ類似した志向傾向を持っております。その実態を考えるとき,表裏の関係において観光の対象は広義な意味での文化の総体であると言って過言ではないと思います。本市の文化観光局は,環境としてはすばらしい岡崎公園内にあって誠に結構なことではありますが,行政上の立場そのものも,本庁と物理的に距離を置いて岡崎公園に位置せしめられていると思うのは失礼なことでありましょうか。 文化のもたらす経済上の効果は,好不況に直結するものではありませんが,長期的な展望において,京都市の持つ固有の歴史的に蓄積されたすばらしい文化エネルギーを実体化することができるならば,必ずや大きな成果を発揮するものだと考えます。伝統産業,伝統芸能,宗教,更には茶道,華道などの本山,宗家,あるいは陶芸,絵画や国宝に指定されている重要な文化財や建造物などなどを考えますとき,誠に京都は文化的資産に恵まれており,市長が文化首都を標榜されたとおり,その名に値する都市だと思います。京都固有の文化エネルギーを開花させるために,文化と観光に関連する事業に対していろいろな角度から再検討されたいと思いますが,御所見を伺いたいと思います。 次に5月市会でも申し上げたところでありますが,本市にはJリーグのサポーターではありませんけれどもファンクラブが存在しています。全国京都会議がそれであります。参加されているいずれもが小京都を名のられている都市であり,南は知覧町から北は松前町に至るまで,現在で45の市や町が文化の蓄積のうえに成り立つ京都市を軸に結集されています。これまで本市の行政が京都固有のこうした自治体ネットワークのエネルギーを活用しなかったこと自体奇異に感じるのが当然ではないでしょうか。本市行政自身が主体的に積極的に取り組むための何らかの方途を検討されるお考えはないか見解をお聞きしたいと思います。 最後に世界文化自由都市宣言の第2次提言についてでありますが,骨子案は出たものの成案はまだ出ておりません。この点につきまして,少なくとも年内なのか年度内なのか。これは特に前企画調整局長でありました内田助役にお答えいただきまして,私の質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) ただ今の西田議員の質問にお答えいたします。 公共工事の契約に関してお答えいたします。建都1200年記念に関連する事業はもとより,公共工事は市民の税金を財源としまして市民が安全かつ快適に利用できる社会資本を整備するものでございます。本市におきましてもその意義を十分に認識いたしまして,常に厳正かつ公正な立場で入札を執行いたしておるところであります。しかしながら,本市が発注いたしました工事の入札におきまして,御指摘のような談合など市民の信頼を裏切るような具体的事実が明らかになった場合には,直ちに指名停止を行うなど厳正に対処する考えでございます。また現在施工中の工事につきましては,所定の工期内に良質な成果品を完成させることも市民に対する発注者としての責務であり,市民に迷惑を掛けることのないよう事業の適正な執行に留意しながら法的な手段を含めて対応してまいりたいと考えております。 なお公共工事の入札におけるより公正な競争の確保や良質な社会資本整備の計画的かつ着実な推進,また開かれた市政に対する要請の高まりといった新たな社会情勢に対応していくために,本市では過日設置いたしました京都市入札制度検討委員会におきまして,現在入札,契約事務手続全般を視野に入れた見直しを進めておるところであります。 世界人権問題研究センターについてでございますが,人権の尊重と確立は,我が国のみならず世界の国々におきまして現在及び将来にわたる重要な課題であります。そういう状況の中で世界人権問題研究センターの設立につきましては,平安建都1200年記念事業の重要な事業の一つとして位置付けますとともに,同和問題をはじめ民族問題,女性問題など多岐にわたる人権問題を広範な分野からとらえ,かつ国際人権保障の観点にも立って研究研修機関として設立いたそうとしておるものであります。現在,財団法人の来年度発足を目標にいたしまして,財団法人平安建都1200年記念協会内に学識経験者並びに市,府,商工会議所の代表から成ります設立準備懇話会を設置いたしまして,研究課題,研究体制などの具体的な検討を行っているところであります。 研究センターの機能といたしましては,国内外から広く研究者を募り,共同研究方式を主体としました調査研究を行うこととしておりますが,あくまでも市民に開かれました研究センターといたしまして,人権講座,セミナー,シンポジウムなどの開催など,市民に人権の尊さ重要さを認識いただけるようなものを考えておるところであります。また市民の人権意識の向上を図りますとともに,研究センターの設立に向けての広く市民の皆さんの御理解を得ますために,記念講演会などの取組も行われております。今後とも京都府,商工会議所,記念協会と連携を深めながら研究センターの早期実現を目指してまいる所存であります。 世界歴史都市会議についてでございますが,御承知のように第4回世界歴史都市会議は,第3回のバルセロナ会議におきまして,この会議の土台を確固としたものとし,その将来展望を明らかにするために再び京都で開催するよう各都市の要請を受けまして,平安建都1200年記念事業の一つとして来年再び京都で開催することとなったものであります。参加の見通しでございますが,これまでの招請活動の結果,現在のところ約40都市が参加の意向を表明いたしておりまして,一定のめどが付いたと考えております。招請活動のため今回訪問いたしました京都の姉妹都市キエフの市長は,新生ウクライナの首都として困難の中で意欲的にまちづくりに取り組んでおられましたが,歴史都市会議に必ず出席して,他の市長とも積極的に交流したいとの意向を述べられました。またサンクトペテルブルクの市長は,町並みの徹底した保存の困難さを語り,歴史都市会議の議論に大きな期待を持っておるという表明をいただきました。クラクフの市長は,第2次世界大戦の戦禍を免れたために歴史的遺産を多く残している都市の市長といたしまして,本市に対し非常に強い親近感を示され,歴史都市会議への出席を機会に本市との太いきずなの交流を強く望んでおられました。プラハ市は,歴史的建造物が非常によく保存されたまちでございまして,その美しさに私自身大きな感銘を受けたところでございますが,プラハ市長は,歴史都市という共通のテーマによる国際会議を提唱した京都市の姿勢を高く評価いたしまして,来る歴史都市会議にはその思いを発表したいというお話でございました。このほか発展途上国の都市からは,日本の高度な文化財保存技術や経済力に対する期待が寄せられていると感じております。 第4回の歴史都市会議におきまして,そうした各都市の期待にこたえ,歴史都市会議の土台を固めまして将来展望を明らかにいたしますとともに,現在世界が直面いたします都市問題の解決に歴史都市が果たすべき役割について論議しまして,更に参加都市との間の日常的な交流を深めるための組織の実現について諮りたいと考えております。この会議を契機といたしまして,優れた文化を創造し続ける永遠に新しい文化都市を目指す世界文化自由都市宣言の理念の実現に向けまして,市民の皆様とともに積極的な都市づくりに取り組みまして,21世紀に向かって京都の新たな飛躍を期していきたいと考えております。 平和都市宣言や世界文化自由都市宣言などについてのお尋ねでございますが,これらの宣言は,平和を求める市民の願いを外に向かって表明したものと考えております。殊に世界文化自由都市宣言は,全世界の人々が人種,宗教,社会体制の相違を超えまして,平和のうちにこの京都に集い自由な文化交流を行うことにより,京都が優れた文化を永遠に創造し続ける新しい文化都市として発展することを目指したものであり,新京都市基本計画におきましても,本市の都市理念として明確に位置付けております。これらの宣言の理念に基づきまして,国際日本文化研究センターの誘致や京都市国際交流会館,コンサートホールの建設,世界歴史都市会議の開催や姉妹都市をはじめといたします国際的な都市間交流の推進などに取り組んでまいりました。更に現在,世界文化自由都市の一層の推進に向けた新たな取組の検討を行っておるところであります。私は,こうした事業を積み重ねていくことがこれらの宣言の趣旨を市民や職員へも周知することに結び付くものであると確信いたしております。 文化首都を目指しました文化観光施策についての御質問をいただきました。本市におきましては,21世紀を展望し,京都が文化都市として我が国の文化の創造や推進の中心的な担い手,すなわち文化首都の中核となることを目指して本年3月に新京都市基本計画を策定いたしたところでございます。本市が文化首都の中核を目指していくためには,京都の持つ豊富な文化的資産を活用いたしまして,日本文化の創造と発信に中心的な役割を果たしていくことが重要であると考えております。今後,長期的な視点を持って総合的な文化行政の推進を図りますため,文化芸術振興計画を策定してまいりたいと考えております。 更に観光行政につきましては,観光基本構想を指針といたしまして多様化する内外の観光客のニーズに対応し,京都の豊かな歴史,文化資源を活用した都市型リゾート地としてのまちづくりと一体的に観光の振興を図りながら京都ならではの観光文化の創造と発展を目指してまいりたいと考えております。 以下,助役から答弁させます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 〔薦田助役登壇〕 ◎助役(薦田守弘君) まず平安建都1200年記念事業についてでございます。現在本市では平安建都1200年を記念して多くのハード,ソフトにわたる事業に取り組んでいるところでございます。これらの事業は,今日の京都の多様な課題にこたえる重要かつ緊急な事業であると認識し,その進展のために鋭意努力しているところでございます。施設整備事業の計画期間は,平安建都1200年,平成6年を中心としておおむね前後10年となっておりますが,これらの事業を進めるうえでは国の理解,また用地や財源の確保などが不可欠でございます。今後国への要望活動を強化するなど諸課題を克服して着実に事業を推進してまいりたいと考えております。 次に記念事業のもう一方でございます各イベントの準備状況等でございます。まず来年3月20日に実施いたします健康都市京都国際市民マラソンは,定員を大幅に上回ります3万人の方からお申込みがあります。大会の成功に向けて大いに盛り上がりが出てきているところでございます。次に9月から10月に掛けて開催いたします記念展覧会,甦える平安京は,現在平安京の模型をはじめとします復元模型の作成を行っておりますほか,出展品の交渉,展示の企画,それに民族行事,芸能など当時の形で再現する動態展示の計画を作るなど具体的な取組を進めております。また日本の映画の発祥の地であります京都にふさわしい京都国際映画祭を来年秋を中心に実施すべく,現在関係者との最終的な詰めを行っております。このほか11月6日に開催いたします京都まつりなど多くの市民の方々に参加していただき楽しめるものになるように,具体的な内容づくりに着手いたしているところでございます。 次に全国京都会議の活用についてでございます。全国京都会議は,京都と共通する歴史や文化を持つ市や町,いわゆる京都ゆかりのまちが連携してお互いの交流による観光振興などを図ることに意義を認め,今日まで観光キャンペーンや物産展などいろいろな事業を展開してきているところでございます。この全国京都会議を更に充実,発展させるために,来年の第4回世界歴史都市会議と同時に京都ゆかりのまちサミットを開催し,文化首都の中核を目指す本市の理念を明らかにし,京都ゆかりのまちと一層の交流,発展を期していくことを計画しております。このサミットの開催がそれぞれの歴史や文化を背景とした都市の発展に役立つとともに,京都にとりましても観光振興,文化の創造に寄与するものになるよう取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) 暫時休憩いたします。 〔午後3時0分休憩〕 〔午後3時29分再開〕 ○議長(川中増次郎君) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) 休憩前の一般質問を継続いたします。 次に市政一般について,天方晶英君に発言を許します。天方君。 〔天方晶英議員登壇(拍手)〕 ◆(天方晶英君) 私は,西京区選出の天方晶英でございます。民社クラブ京都市会議員団を代表いたしまして,市政一般について市長並びに関係理事者に質問いたします。我がクラブの質問は,毎回最後になりますので,今までの質問と類似したものもありますが,市長はじめ関係理事者の誠意ある御答弁を求めるものでございます。 現在,我が国経済は史上空前と言われたバブル景気崩壊後の後遺症がいえぬ中,100円の大台を割ろうかというところまで急速に進行した円高や,戦後最悪と言われる農産物被害を出したこの夏の冷夏が重なり合うなど一層深刻さを増しております。民間企業の設備投資意欲や個人消費はなおも低迷を続け,経済企画庁も6月に出した底入れ宣言の撤回を余儀なくさせられるなど,先行きが分からない非常に深刻な事態となっております。また国際的にも米国をはじめ欧州などは,独り勝ちする日本経済の孤立化,仮想敵国化を狙って虎視眈々といった状態にあります。そのような中,民間企業では必死の思いで生き残りのため,非情と思われるぐらいの企業経営の見直しを余儀なくされ,人員削減や賃金抑制など抜本的な経営の見直しを迫られており,再構築,いわゆるリストラが大きな課題となっております。 一方国においても,佐川,金丸事件に端を発した自民党の長期単独政権から連立政権への歴史的な政権交代を機に政治改革論議が活発に行われる中,併せて省庁の再編や公的規制の緩和,更には地方分権の推進をも盛り込んだ臨時行政改革推進審議会,いわゆる第3次行革審の最終答申が報告されるなど行政改革に向けての議論が活発になってきております。そんなときだけに政治や行政は国民に素直で分かりやすいものでなければなりません。そして私たち市民一人一人も歴史的な改革を目指す決意を持つ必要があります。そうでなければ我が国は,この困難な状況を抜け出すことすらできないように思います。このことは,もちろん私たち京都だけの問題ではなく国政のレベルで細川首相に率先してやってもらわねばならないことであります。 しかし,京都市は来年に平安建都1200年を,また8年後には21世紀を控え,今新たな飛躍のためには極めて重要な局面を迎えようとしています。我が国の首都として1000年以上の長きにわたり栄えた京都市は,現在も周囲を三山に囲まれ,恵まれた自然の中に優れた文化や芸術や多様な産業の息づく世界に誇れる歴史都市,国際文化都市であります。しかしながら,地価の高騰等による近隣市町村への人口流出をはじめ,大学の市外への流出,市民の高齢化,既存産業の不振や企業の流出による経済活動の低迷,東京への一極集中に伴う文化力の低下,道路交通網を中心とした都市基盤整備の後れなど京都市は様々な課題を身近に抱えています。しかし,今こそ市民と行政が一体となって目先に惑わされず,飛躍のため平安建都1200年を契機に挑戦しなければなりません。しかし,本市財政は従来から脆弱であり,そこへ国や他の都市同様景気低迷の長期化により市税収入が落ち込み,更に来年に迫った平安建都1200年関連事業に多くの財源を必要とすることから非常に厳しい財政状況となっております。 先月20日の記者会見で市長が明らかにされたように,平成6年度の予算編成に当たっては,昨年に続く経常経費のマイナスシーリングを実施し,予算編成作業に臨んでおられる状況にあります。多くの民間企業が解雇や賃金抑制を含む経費削減の努力をされている中,更に倒産の危機に直面している企業が数多くあるという中で,行政が事務の効率化を図ることは当然のことであります。しかし,組織や人員,更には事業の抜本的な見直しに言及しないことには,経常経費の一律カットだけでは効率化にもおのずから限界があると思われます。 行政としては住民サービスの低下,ひいては京都市民の生活レベルの低下につながらないような経費の節減を行わなければなりません。現在,各担当局に経費の節減を指示されていますが,国では官僚が既得権益を守ろうとするように,各局では思い切った見直しができないのが実態でありましょう。これでは京都市全体としてそれほど大きな効果は期待できないのではないでしょうか。また10月15日号の市民しんぶんにも掲載されておりましたが,京都市の職員の平均給与は,今現在平均年齢39.8歳で年間1人当たり約720万円で,単純にこれを1時間当たりにしますと3500円程度になります。この数字には通勤手当やボーナスなども含まれておりますので,この数字をもって高いとか安いとか議論するつもりはございませんが,私がここで申し上げたいのは,役所で働く人たちに常に気持ちの中にコスト意識を持っていただき,言い換えれば市民の皆さんの税金でそれぞれの事業を行っているのだという意識を持って仕事をしていただきたいということであります。 今求められているものは,これまでの慣例,惰性などにより漫然と継続されている事業の大胆な見直しを行い,将来の京都のあるべき姿を見据えたうえで,必要なものに対しては予算や人員を重点的に大胆に配分するなど時宜を得た,外郭団体なども含めた全市的な対応であり,また職員一人一人がしっかりした意識を持ち,それぞれの仕事に取り組むということではないでしょうか。そのためには9月市会で我が会派の宮本議員も指摘いたしましたように,市長の強力なリーダーシップの下,企画調整局,総務局,理財局の管理統括部局が中心になり,組織,人員,予算等を大胆に見直し,職員の意識改革をも含めた思い切った京都市版のリストラを断行する必要があると思います。市長のお考えをお聞かせください。 次に地方分権について本市の対応についてであります。先日の第3次行革審の最終答申を受けていよいよ本格的に動き出す気配が見えてまいりました。答申では,国は国家の存立に直接かかわる外交,防衛などの政策,全国的な基本ルールの制定,全国的規模の施策,事業などを分担し,地域行政は基本的に地方自治体において立案,調整,実施する。そのために政府は地方分権推進の基本理念,取り組む課題と手順を明確にした地方分権に関する大綱方針を今後1年程度をめどに策定し,地方分権推進に関する基本的な法律の制定を目指すべきであるとしています。 これまで,例えば福祉施設の例一つをとりましても,国の許可や補助金をもらうためには,国が決めた規格に適合するものを造る必要がありました。それは部屋の広さから,それに使われる材質に至るまで細かく基準が示されており,その基準が守られない場合は補助が受けられないなど,その地方の特色や独自の色が出しにくいものとなっていました。そのような状況のために,独自色を出そうとするならその費用のほとんどを地方が負担しなければならないというシステムになっており,必然的に国の意向を強く反映したものとならざるを得ないのであります。本市においても,例年国家予算要望という形で何十項目もの要望を国に対して行っております。しかし,それはあくまでも国の基準を超えるものではなく,国の規格に合致したものを造るため,その経費の負担を国にお願いに行くという意味合いのものとなっております。やはり自分たちの住むまちは,そこに住む私たち住民の意思で作り上げていくことが必要であると思います。現細川政権では,総理大臣も官房長官も知事経験者であることからも,これからの推移に大きな期待を寄せて見守りたいと思います。 時はまさに効率優先の社会から人々は本当の豊かさを求めている時代に変化しています。我が国は北海道から九州,沖縄まで様々な気候風土や歴史的経緯を持つ都市が点在しています。まして私たちのまち京都は世界に冠たる文化と特色を持ったまちであります。それぞれの地方や地域には,それぞれの特色が生かされた建物や制度などが構築されるべきであると考えます。あくまでも地域におけるまちづくりやそれに伴うルールといったものは,主人公である住民自らの意思に委ねるべきであるものだと思います。 どんな形で地方分権の議論が今後展開されていくかは,これからの国などの動きを待たなければなりませんが,来るべき時を迎えるに当たって,その権限を最大限に活用するため積極的な地方自治確立のための受皿づくりを今から進めておくべきだと考えます。京都府では既に庁内の検討組織,新しい行政推進会議の設置を決めており,本市においても政令指定都市として,また直接住民にかかわりを持つ最先端の自治体として検討機関の設置等,受皿づくりを急ぐべきと考えますが,市長のお考えをお聞かせください。 次に京都市美術館についてお尋ねします。文化,芸術の都京都のまちに美術館を造ろう,そんな市民の熱い思いの下,昭和8年に自治体としては全国で2番目の美術館として岡崎公園内に京都市美術館が建てられました。その美術館が,今秋開館60周年を迎えました。その歴史を振り返ると,その功績には偉大なものがあります。私は平成3年の代表質問で,新しい大きいものを建造されたらいかがですかと申しましたが,その後,芸術家の方たち,一般市民の方たちからは,押しなべてあの落ち着いた美術の殿堂にふさわしい建築美を岡崎に残せないものだろうかと言われました。そのような観点から,現在の60年経った建造物は残せる状態なのでしょうか。もちろん内部は大改造せねばならないとは思います。既にその点について調査に入っておられるように聞きましたが,状況はいかがなものでしょうか,薦田助役にお伺いします。 もし残せるものなら残し,そしてこの際,現有の所蔵品数1540点を展示できる常設展示館を造り公開すべきであると考えます。過去の美術展においても,よい企画であればたくさんの入場者を迎えています。例えば昭和40年のエジプト工芸のツタンカーメン展,107万人,39年のミロのビーナス展も89万人,37年のルーブルを中心とするフランス美術展の74万人,すごい動員数であります。たくさんの入場者はまちにも活力を与えます。著名な作家の所蔵品も増えた今,やはり大きい展示場が必要になります。もちろん所蔵品のすべてを常に鑑賞していただくのが一番よいのですが,特に日本画などは展示すればするほど傷むと言われています。見ていただきたいことと保存することと相反することもあります。それだけに十二分に保管できる立派な大きい収蔵庫も必要になります。そのようなことを考えるとき,今の敷地での改修は困難さを伴うと思われますが,例えば大阪市立美術館のように,昨年地下室展示場を増設し成功されたケースもあります。京都市美術館もその方向で考えられるよう検討されるのもいかがですか,薦田助役にお尋ねいたします。 次に京都の持つ豊富な学習資源を市民の生涯学習に活用し,貴重な文化遺産として後世に伝えるための学校歴史博物館の建設についてお尋ねします。京都のまちの歴史を口にするとき,どうしても忘れてならないことの一つに学校があります。御存じの方も多かろうと思いますが,明治5年,学制発布により我が国の近代的教育制度が確立しました。しかし,それにさかのぼること3年,明治2年に京都の町衆は,自分たちの力で当時のまちの区分であった番組を単位として64もの学校を創設しました。明治の初めの激動の中,将来の京都の発展を人材育成にかけた市民の英知と熱意は全国に誇り得るものであり,何としても後世に伝えなければならないものであります。こうした歴史を有する京都市の学校には,当時の学校創設に関する資料や教材,教具など京都の教育の歴史を,また我々の先人の気概を知るうえで欠かせない貴重な資料が多くあります。更に京都市の学校には,京都出身で国際的にも著名な画家や陶芸家の作品が1100点ほど寄贈され保存されております。教育委員会では,これまでに市立学校に保存されている美術品や文化財について調査し,展覧会を開催され,平成3年度には学校に現存する歴史資料の実態調査に着手されたところであります。 そこで教育長にお尋ねします。脈々と引き継いできた先人の熱い思いを市民に伝え,新しい時代を切り開く礎とするため,そしてそれらを次の時代に残すためには,世界に誇る歴史都市京都の名にふさわしい学校歴史博物館の建設が不可欠であると考えます。例えば統廃合された学校の跡地などの利用を考えることも一案かと思いますが,具体的にどのように取り組もうとされているのかお答え願います。 次に健康都市,生涯スポーツを目指す京都市のスポーツ行政の在り方についてお尋ねします。平成3年11月の私の代表質問のときに,本市のスポーツ予算や施設が他の大都市に比較して非常に貧困であると指摘いたしました。その後,市民みんなのスポーツとして地域体育館や市民スポーツ振興センターなどの施設の建設に着手されるなど,それなりに毎年予算も計上されるようになり,これまでと比べれば確かに前進している部分もあります。しかし,これからの長寿社会に向けて病気をしない健康であるための老人スポーツ,身体障害者スポーツ,青少年スポーツ,女性スポーツ,競技スポーツ,市民スポーツなどにとっての受皿となる施設はまだまだ十分とは言えない状況にあります。 そこで我々の同僚議員からも度々質問しています西京極総合運動公園のプールについては,早期完成に向けて最大限の努力を尽くしていただきたいと思います。改めて要望しておきます。また今後,設計,建築されるに当たっては,競技団体をはじめとする関係団体とも十分に相談,検討していただきたいと思います。そして駐車場に関しても,これまで遅れ遅れになっているわけですから,意を尽くした恥ずかしくないものを造っていただきたいと思います。 また本市には,現在はもとより計画においてすら21世紀に向けての国際大会などのビッグゲームに対応できる競技場がありません。京都のスポーツの将来を考えるとき,本格的な国際ゲームに対応できる球技場,例えば半開閉式ドーム型の競技場,あるいは球技場の建設が必要不可欠であると考えます。市長もその必要性についてはっきりと認められていますが,場所や経費などについて具体的に何か検討を進められておられるのでしょうか,田邊市長にお尋ねいたします。 また今評判のサッカーに関して,京都のチームが16日に開かれたJリーグの理事会で,設備についての改修具体案がないなどの理由で準加盟が見送られました。しかし今回の措置は,いわゆるウェイティング措置がとられ,条件さえ整えばすぐにでも入れるという内容であります。行政の重大な決意があれば,あともう一歩というところまで来ております。市民のスポーツ振興の観点から見ても,施設の整備拡充ということには大きな意義があります。Jリーグの最低条件にとらわれない3万人ぐらいを収容できる施設を先行して整備するぐらいのことを考えるべきだと思います。そのことが京都チームのJリーグ加盟を促進し,ひいては市民のスポーツ振興にも大きく役立つものであると思います。今こそ決断すべきだと考えますが,そのようなお考えはありませんか,田邊市長のお考えをお尋ねします。 次に本年5月の全国高等学校体育連盟の理事会において,平成9年度に全国高等学校総合体育大会,いわゆるインターハイの京都単独開催が正式に決定されました。このインターハイの開催は,昭和63年の京都国体,そして先月開催された第6回全国健康福祉祭京都大会,いわゆるねんりんピック’93京都に勝るとも劣らない大きな大会であります。しかも昭和38年に総合体育大会として一元化されてから初めての京都大会であるとともに,近畿圏でも初めての単独府県開催の大会であります。またこの大会には28競技,3万人を超える監督,選手団が参加し,国体の参加人数を上回るビッグイベントでもあり,京都を訪れる保護者等の観客も延べ50万人を超えると言われています。 このインターハイは,高等学校教育の一環として生徒に広くスポーツ実践の機会を与え,技能の向上とアマチュアスポーツ精神の高揚を図り,心身ともに健全な生徒を育成するとともに,生徒の相互の親睦を図ることを目的として開催されている高等学校体育,スポーツ活動における最大の祭典であります。これまでの開催地でも,すべての高校生が一人一役を合言葉に競技,運営をはじめ,出会いの大切さの中に多感な高校時代のロマンや感動,友情の中に独自の歓迎プランの作成など,高校生最大のスポーツ祭典として都道府県を挙げて盛り上げる大きなイベントとなっております。 幸い近年の京都市は,伏見工業高校ラグビー部の全国優勝など苦労して勝利をものにする感動を味わうことも経験でき,他の種目の高校生も伏見工業高校に続けと言わんばかりに競技力向上の機運が高まっております。また今年度,この京都で開催された全国中学校選抜体育大会並びに近畿中学校体育大会,京阪神3都市中学校体育大会においても本市の中学生が目覚ましい活躍をしております。 平成9年のインターハイに主力となる選手は,現在の小学校6年生,中学1,2年生に相当します。当然,小,中,高等学校の各種目にかかわる先生方はもとより,教育委員会においても平成9年度に焦点を当てた取組を進めておられるでしょうが,地元開催でもありますので,緻密な計画の下,スポーツはやる限りは勝つという意気込みが必要であります。京都市内の小学生,中学生が進学するのは市立高校だけに限らず,府立高校や私立高校にも多く入学します。しかし,高校に入学してからでは遅いくらいですので,特に小,中学生に基礎的体力が付くよう準備していただき,平成9年には京都勢の健闘と大活躍を大いに期待しております。生涯スポーツの大切さが叫ばれている今日,このインターハイ京都開催は,京都国体で市民の中に盛り上がったスポーツ活動への関心をより一層強め,21世紀に向けての市民生活に活力を与えるとともに,健康都市京都の実現にふさわしい大会であると考えております。なおこの平成9年には相前後して大阪国体も開かれ,京都勢の活躍を期待しているところであります。 また本市の高校生の体育,スポーツ活動の振興のみならず,本市の児童,生徒のスポーツ活動のより一層の振興及び競技力の向上を図るうえで,更に青少年育成の観点からも絶好の機会ではないでしょうか。平成9年,めでたく京都に誘致できたインターハイを成功させるための準備に入る時期としては決して早い時期ではありません。スポーツ活動の普及,振興を心の底から願っている京都市民の期待にこたえ,平成9年度のインターハイ京都開催を健康都市京都ならではのすばらしい大会として京都市勢が大いに健闘できるよう万全の体制で臨む教育長の力強い御決意をお聞かせください。 次に桂川河川敷の整備についてであります。山紫水明の京都は,東と西に二つの大きな河川があります。現在,平安建都1200年記念事業に位置付け,京の川づくり事業を実施されております。最近では,京都市都市計画審議会が鴨川緑地の大幅拡大を承認いたしました。どうしても今のところ鴨川が中心になっているように思います。しかし,京都には西に桂川という大きな川があります。観光地でもある嵐山の近辺はそれなりに整備拡充されてきておりますが,下流の方はまだまだ整備がなされていない状態であります。現在,東海自然歩道や自転車道として利用されておりますが,来年は特に緑化フェアの年でもあります。もちろん治水の問題などには十分に留意したうえで河川敷や堤防沿いに植林を含めた整備を早急に進めていただきたいと思います。建設局長に御所見をお伺いします。 次に西京区に関して幾つかの要望と質問をします。西京区の人口は年々増加しています。現在京都市の人口の約1割に相当する14万7000人であります。右京区からの分区以来17年が経過しましたが,まだまだ改善されない不便なことや市民生活上早急に検討していただかなければならないことがたくさんあります。以前から何度も指摘されていることですが,まず治水対策に関して重ねて要望いたします。 平成4年度には大掛かりな浚渫作業もされ年々よくはなってきていますが,やはり西京区内の河川整備が遅れているため,毎年各地で浸水被害を被っています。特に新川や善峰川の改修,雨水幹線工事の整備促進,農業用水路の改修整備を早期に実現していただきたいと思います。 次に交通面についてでございます。現在地下鉄東西線の工事が進められていますが,当初の平成6年完成予定が2年近く遅れることが決まり,二条駅以西,右京から西京への延長はまだまだ遅れそうな感じがあり,実現に程遠い現状であります。現状の予定路線では,上桂付近を通り洛西ニュータウンに入り,最終的には長岡京に入ることになっています。この路線が完成されるころには,私は生きてこの世におらないことでしょう。それでは余りにもずっと待ち続けられている住民の感情を踏みにじったものであると言えないでしょうか。 今,西京区のターミナルの中心はやはり阪急桂駅になるでしょう。1日の乗降者は約6万人にも達し大変な混雑が日常化しております。そんな中で市民の一部の方たちから一つの提案がされております。それは,地下鉄が桂を通らないのであれば,経費も3分の1程度で済むと言われる新都市交通システム,例えばモノレールなどを桂から洛西ニュータウンに入れられないかという提案であります。この案であれば既存の道路上を利用することで可能になると思います。余りにも地下鉄が遅れるのなら検討する必要があると考えますがいかがですか,田邊市長にお考えをお尋ねします。 現在はこのような状態ですので,約6万人の洛西ニュータウン地区の区民の足はバスに頼らざるを得ない状況にあります。当面はできるだけ市民のニーズに合った運賃にするとともに,路線や運行本数を増やし合理的なダイヤ編成にしていただく必要があります。洛西ニュータウンの皆さんは,住まいの環境は西山の麓で緑も多く,四季折々の季節感も楽しめて非常によいのですが,ただ足元にはまだまだ課題を抱えておられます。例えば市内中心部や京都駅などに出るのにも不便で,そのためにそれぞれの家庭で自家用車をお持ちの所も多いのですが,一家に1台で収まらず台数が増え,結果的には駐車場の不足など別の問題を生じさせています。仮に駐車場が確保できたとしても,自宅から公共交通機関までの距離があるので,つい面倒になり路上駐車や不法駐車がますます増えるという悪循環を繰り返しています。早期の解決を願いますが,それでも現状はバスに頼らざるを得ない状況であり,洛西ニュータウンから向日市や長岡京市のJR駅などへの路線の確保を考えていただく必要があります。近隣都市との協力関係の問題になりますが,その辺りについて,将来に向けてのビジョンなどを交通管理者にお尋ねします。 それとともに,桂川を挟んで東西を結ぶ道路が朝夕いつも交通渋滞を来しております。自動車の渋滞緩和のため,第二桂大橋の建設が必要ではないでしょうか,内田助役の御所見をお伺いします。 次に開発についてお尋ねします。桂坂の東側すなわち国道9号線樫原の西の竹林地帯の44万平方メートル,約14万坪の広大な敷地が造成され,住宅・都市整備公団の工事が行われようとしています。もちろん京都市としての景観,治水等の問題については十分な協議,指導をされ対応されていると思いますが,特に高台にありますので周りの麓の地域住民の迷惑にならないよう配慮願いたいと思います。そして最終的には何世帯で何人の方が住まれる計画なのか,完成時期やその規模などを建設局長から教えていただきたいと思います。また学校などの施設についてもきっちりと整備していただきたいと思います。 おかげさまで京都市西文化会館ウエスティも完成し住民の皆さんも喜んでいるところです。引き続き洛西老人保養・研修センターや西京東部体育館建設などを進めていただいております。早期完成を期待しております。 先ほども申しましたように,西京区のターミナルはやはり阪急桂駅であると思います。西口の整備も終わり,東口も桂東阪急ビルの完成に続き,阪急電鉄の応分の協力の下,東口駅前周辺の整備に間もなく入られる予定です。現在はどういう状況になっているのでしょうか,また完成時期はいつになるのですか,更に完成すれば利用者にどのようなメリットがあるのですか,建設局長からお答えください。 桂駅西口,東口において我々も市民として考えさせられることがあります。それは駐輪場の不足という現実もあるわけですが,駅前の歩行通路まで自転車やバイクが人の通行を妨げるほど所狭しと放置されています。特に洛西地区には身体障害者の施設もあります。その施設の人たちが車いすで来られて桂駅に降りられても身動きのできないどうしょうもない状態であります。そのことが一部引金になったこともあるのでしょうか,今地域住民の協力の下,警察を中心として区役所,土木事務所などに自治連合会,交通安全推進会など各種団体の皆さんが加わり,余りにもひどい駅前の整理に阪急桂駅前クリーン作戦として毎月重点的にやり掛けていただいております。その成果もあって最近やっと効果が見え始めているところです。それでも蠅を追い払ったらすぐにという具合で本当にひどいものですと,そのお世話をしている人もおっしゃっておられました。ボランティアで一生懸命やっている人も,所構わず平気で放置する人も同じ人間であり,市民であり区民であります。どうか自分のことだけしか考えずに,いま一度相手のことを考えて行動する思いやりをお互い市民として自覚しようではありませんか。願わくばもう30分程度余裕を持って家を出ていただく,また駅に近い方は健康のためにも歩く勇気を持とうではありませんか。そして公共の駅前を京都市民として,西京の住民として良識ある行動で美しくしたいものです。それが市民憲章の実行でもあります。まず自分の身近な所のできることから一歩一歩出発しようではありませんか。どうか御理解いただき御協力をお願いしたいと思います。 せっかく桂駅東口の整備がされるのですから,同時に従来から要望が出ております警察官派出所の設置を再度要望しておきたいと思います。 最後に景観の保全について質問いたします。洛西の西山一帯の自然と景観は本当にすばらしいものがあります。そして特にその中でもいつまでも残しておきたい花の寺や正方寺などの景勝地に京都第二外環状道路の高速道が通過することになっています。いろいろと対応の難しさもあるとは思いますが,いつまでも良いものは,子孫のためにも環境保全のためにも,そして私たちのまち京都のためにも,また地域住民のためにも残しておきたいものです。その辺のことをかんがみて,京都市としてどのような工夫なり努力をしようとしておられるのですか,内田助役の御見解をお聞かせください。 これで第一質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 〔田邊市長登壇〕 ◎市長(田邊朋之君) 天方議員の質問にお答えいたします。 行政改革と地方分権についてお尋ねいただきました。御指摘の第3次行革審の最終答申にもございますように,今や地方分権に向けて大きく時代が動きつつあり,本市としてもこの機会をとらえまして,望ましい地方分権の在り方や地方分権の中での本市の行政の在り方について検討を積極的に行っていく必要があると考えております。また本市におきましては,平安建都1200年の記念事業を成功させていくとともに,本市の21世紀に向けての将来の展望を図るためには,新基本計画を着実に実行していかなければなりません。更に地方分権の流れと併せて今後本市に求められます行政需要は一層増大していく状況にございます。一方,長引く不況の下で,民間企業におきましては経営の効率化に大きな努力をされているところでございますが,本市の財政も来年度予算編成の財源見通しにおきまして,2年連続で市税収入が減少する見込みとなるなど非常に厳しい状況になっております。本市におきましては,これまでも常に事務事業の見直しや行財政の効率化に努めてまいったところでございますが,今日の行政需要の増大と財政危機の下で施策を着実に推進していくためには,限られた予算と人員の思い切った再配分も含めた行政運営の在り方について検討を行うことが緊急の課題であると考えております。このため地方分権とポスト1200年を見据えた京都市行政の在り方について検討するために,近く私の下で管理部局を中心としました全庁的な推進組織を設置してまいりたいと考えております。 国際大会などのビッグゲームに対応できる施設としてのドーム型競技場の建設について御質問がありました。国際的なスポーツイベントの開催可能な全天候型の大規模運動施設につきましては,御指摘のとおり本市におきます競技スポーツの振興のためにも極めて必要な施設であると考えております。しかしながらこの実現を図っていきますためには,事業主体,建設地の確保,建設経費や交通アクセスなど検討していかなければならない課題が数多くありますので,今後民間の動向,他のドームの状況,立地条件などについて慎重に研究を進め,21世紀に向けた課題として取り組んでまいりたいと考えております。 Jリーグ加盟促進のための施設整備についての御質問でございますが,御承知のとおり京都パープルサンガのJリーグ準加盟につきましては,先日条件付で決定があったところであり,この条件となっております施設の問題や経営法人の問題の解決のほかに,周辺住民の方々をはじめ京都市民の理解と協力が不可欠であると考えております。御指摘の西京極競技場の整備につきましては,現在,法規制,技術面,経費面の問題などにつきまして調査検討を行っているところであります。今後とも市民スポーツの振興のためにスポーツ施設の整備拡充に努めてまいりたいと考えております。 次に洛西ニュータウンへのモノレールの導入についての御質問でございますが,洛西ニュータウンと既設の民間鉄道の駅を結ぶ新交通システムについて検討した経過がありますが,導入空間の確保の問題,採算性や事業主体の問題などがあり実現することは難しい状況であります。平成元年5月の運輸政策審議会の答申も踏まえ,本年3月に策定いたしました新京都市基本計画におきましては,二条駅から西大路洛西間の都市高速鉄道の整備につきましてその事業化を推進するという位置付けをいたしております。しかしながら洛西ニュータウンとのアクセスについては住民の方々に大変御不便をお掛けしております現状を十分認識しているところでありますので,今後道路交通網の整備を含め総合的な観点から更に検討してまいりたいと考えております。 以下,助役,局長から答弁させていただきます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 〔薦田助役登壇〕 ◎助役(薦田守弘君) まず美術館の整備についてでございます。本市の美術館は,昭和8年に日本で2番目の大規模公立美術館として設立されまして以来,今日まで近現代美術の鑑賞の発展のために大きな役割を果たしてまいりました。またその建物の美しさからも多くの市民の方々に親しまれてまいったところでございます。これまでから美術館では,施設や機能面の充実を図るために年次的に改修,整備に努めておりますが,とりわけ常設の展示機能や美術に関する総合的な情報を提供する機能などの整備が重要な課題になってきております。現在の建物につきましては,60年を経た今日,美術館の整備計画を検討するためにも建物の現状がどうなのか,耐久力を中心とした調査を行うことが必要と考えております。今後,昨年度に実施いたしました他都市美術館の状況調査の結果も踏まえまして,御指摘のような地下美術館建設の検討や岡崎地区以外での新たな美術館建設の可能性などよりよい方策を総合的に研究してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 内田助役。 〔内田助役登壇〕 ◎助役(内田俊一君) 桂川の新たな橋の建設についてのお尋ねでございます。桂川には現在橋の数がそもそも少く幅員も狭いために,各地で深刻な交通渋滞を引き起こしておりますことは十分承知いたしております。このため現在羽束師橋の架け替え,それから仮称第二久世橋の架橋に必要な取付道路の整備を進めております。しかしながら現在の交通渋滞の状況を考えますと,御指摘のように例えば桂大橋と久世橋の間に新たな橋を架ける必要性があることは十分認識いたしておりまして,今後その可能性の検討に着手したいと考えております。 また来年度の事業化に向けて今,京都市で取り組んでおります京都高速道路の整備は,この地域の渋滞の解消にも大きな効果を持つと考えておりまして,こういう観点からもその促進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 それから京都第二外環状道路の景観対策についてでございますけれども,先生の御指摘にございましたように,この西山地域の優れた環境,景観に配慮した道路を造っていただきたいということは私ども共通の願いでございます。平成2年8月には,建設省におきまして学識経験者や関係自治体から成ります京都第二外環状道路景観検討委員会が設置されております。本市からは都市計画局長が構成員となっておりまして,地元としての立場からの具体的な提案も含めて積極的に参画いたしております。今後,この検討結果がまとまり次第地元の皆さんにお示しして御理解いただくことになるわけでございますけれども,私ども京都市としては,この検討の成果を生かして,御指摘のような環境あるいは景観と調和した優れた道路整備が行われるように建設省に強く要請してまいりたいと考えております。 ○議長(川中増次郎君) 蜷川建設局長。 〔蜷川建設局長登壇〕 ◎建設局長(蜷川一朗君) 桂川河川敷の整備についてお答えいたします。桂川におきましては,上野橋から下流の約490ヘクタールを桂川緑地として都市計画決定しており,現在約11ヘクタールを開園しております。今後の整備につきましては,現在建設省で進められている流水保全水路整備事業の終了箇所や河川敷の権利関係が整理され,面的に利用が可能となった区域などを公園として整備すべく建設省と協議してまいります。 次に桂坂東側における住宅・都市整備公団の開発計画についてであります。まず御指摘の景観,治水等の問題につきましては,従来より造成地の周囲における緑地の確保や緑あふれる町並みの形成を誘導するなど景観に配慮するとともに,小畑川への分水路や雨水貯留施設等を設けるなどの治水に関する指導を行ってきたところでありますが,今後とも十分な指導を行ってまいりたいと考えております。次に開発計画の概要についてでございますが,全体面積は約44ヘクタールで,このうち住宅地は約19ヘクタールでございます。計画人口は約4000人,計画戸数は約1100戸となっております。また平成6年に建築工事に着手し,平成12年の完成を目標としております。 次に阪急桂駅東口駅前広場の整備につきましては,今年度内に工事に着手し,平成6年末の完成を目指しております。駅前広場は,鉄道とバス,タクシーなどの交通機関との乗継ぎの利便性を高めるとともに,美観上や防災上からも重要な都市施設であり,地域の活性化に役立つものと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 依田公営企業管理者。 〔依田公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(依田満君) 洛西ニュータウン地区のバス運行につきましては,市バスを中心に京都交通バス,阪急バス等で輸送分担を行っておりますが,桂坂などを含めた洛西地域の入居者の増加など需要に応じてできる限り合理的なダイヤ編成を心掛けており,運行開始につきましても順次増やしてきたところであります。更に向日市,長岡京市のJR駅へのバス運行につきましては,事業エリアの関係で阪急バスが主として担当することになります。狭隘な道路事情等から,現時点ではJR駅への運行は非常に難しい状況ではありますが,他の事業者とも協議してまいりたいと存じます。なお運賃の問題につきましては,路線が競合している関係から,民営バス事業者との運賃の調整を必要とする地域であり,運賃制度の基本にかかわる問題として今後検討すべき課題であると考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 桝本教育長。 〔桝本教育長登壇〕 ◎教育長(桝本頼兼君) 学校歴史博物館についてでございますが,全国に先駆け町衆の手によって創設されました本市の学校には先人の教育に寄せる熱い思いが脈々と引き継がれております。こうした先人の情熱を伝える貴重な古文書や美術品,教材,教具を市民の生涯学習に生かすとともに,後世に伝える学校歴史博物館の建設は我々に課せられた使命であると認識いたしております。現在,これまでの調査の結果を集約中であり,建設構想及び建設場所につきましては今後の課題でございますけれども,御提案のとおり学校統合跡地が学校歴史博物館に最もふさわしい候補地の一つであると考えております。なお統合校の跡地活用につきましては,全市的に検討するため対策委員会が設置されているところであり,今後その場において検討してまいりたいと考えております。 次にインターハイについてでございますが,新しい時代を担う高校生の夢と希望を乗せたスポーツの祭典が平成9年度京都で開催されますことは,健康都市京都の実現を目指すうえからも誠に意義深く,是非とも成功させなければならないと考えております。そのため近々京都府レベルの準備委員会が発足しますが,京都市におきましても平成6年度には各界各層からの御協力を得て準備委員会を設立し,全庁体制で国体を上回る規模のインターハイに臨むこととしております。またインターハイを契機とするスポーツ活動の振興及び競技力の向上につきましても,これまでの取組の充実に加え,昨年度から京都市立高校に強化指定部を設けたところであり,また御指摘のとおりここ数年の小,中学生のすばらしい成果をもっともっと伸長させ,平成9年度開催のインターハイが若者たちにとって,また京都市民にとって有意義で実りあるものとなるよう万全を期してまいる覚悟でございます。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 天方晶英君。 〔天方晶英議員登壇(拍手)〕 ◆(天方晶英君) 最後の10番目のバッターということもございまして第二質問をさせていただきます。 御答弁いただきました田邊市政は,本年8月2期目のスタートを切られました。21世紀を展望した新京都市基本計画の実現をはじめとする将来の京都のまちへの期待を市民は田邊市政に託したわけでございます。まさにこれからの4年間が市長の本当の真価を問われるときと言えましょう。 私たちも明日の京都をつくるためできる限りの協力を惜しまないつもりでありますが,片や京都市は2万人の職員を擁する巨大な組織であります。組織を活性化し,その能力を十二分に発揮しなければ市民の期待にこたえることはできません。そのためには市長を支える2人の助役の責任は非常に重要であります。薦田助役におかれましては,これまでの4年間,実際に市長を支えてこられましたし,また内田助役は,今後その手腕に大きな期待を寄せるものであります。両助役が車の両輪として,また市長と職員の間の潤滑油として,これからの京都市政を支えていただきたいと思います。両助役それぞれから今の心境と今後に向けての決意を表明していただいて,私の第二質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 〔薦田助役登壇〕 ◎助役(薦田守弘君) この時期の御質問で決意と言われると少々戸惑いを覚える向きもありますが,私は4年前に田邊市長に助役に任命されました。それ以来庁内出身という立場を踏まえて,田邊市長の市政にかかわる方針を職員にいかに徹底していくか,また庁内外の方々にどういうふうに御理解いただくか,そしてそれを現実にどういうふうに実行に移していけるか,こういうことに誠心意を用い努めてまいったつもりでございます。 昨日,市長から組織は人なりというお話がございました。しかし組織は複数の人で構成されているわけであります。私は,京都市の職員は大変有能で優秀であると思っておりますが,やはり人間でありますからいろいろな考え方を持ち,いろんな考えの方もおります。こういう人たちを市長の方針に従って組織としての効用を発揮し,目的を達成するためには一つの方向に行かなければならないわけであります。こういうことに今日まで努めてまいったつもりでおりますし,ただ今の気持ちもそのとおりでございます。私が市長を補佐するに当たって考えておりますことは以上のようなことでございます。 ○議長(川中増次郎君) 内田助役。 〔内田助役登壇〕 ◎助役(内田俊一君) 私も田邊市政2期が始まりました直後の10月に助役に選任していただきました。田邊市長は2期目に臨む基本方針として,手ごたえのある市政ということをおっしゃっておられます。これは恐らく市民が自分のまちがよくなっているという実感が感じられるような仕事をまずしろと私どもにおっしゃったのだと思っております。この実感が市政の信頼につながっていく,その信頼が我々職員の自信につながって次の仕事につながっていく,これが田邊市政2期の方針だと私は理解いたしております。 私が薦田助役と分担いたしておりますのは,まちづくりのハードな部分が主なものでございまして,市民への身近さとか,あるいは目に見える行政とか,そういう意味では手ごたえのある行政を推進していく大変重要な部分を分担させていただいていると感じているところでございます。先ほど薦田助役もおっしゃいましたように,私も京都市の職員は非常に優秀でありセンスもいいと考えております。市民への信頼が職員につながってくる,こういう立場から職員と市長をつなぐかなめとして頑張っていきたいと思っております。 市長もかねがね京都のまちの個性と魅力について語っておられますけれども,私自身も京都はほかに例のない非常に豊かな,そして魅力を持ったまちだと思っておりまして,この京都のまちで市長をお支えする助役であることの重責と誇りを腹に収めて職務に当たってまいりたいと思います。御支援お願いいたします。 ○議長(川中増次郎君) これをもって一般質問を終結いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(川中増次郎君) 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後4時25分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~            議長   川中増次郎            副議長  可児達志            署名議員 三宅誠孝            同    中西賢治...